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県内公立校入試ミスで大量処分 対象1037人、県内高校教員の半数超

2018年08月08日 22:00
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 県内公立校入試の採点ミス問題で、県教育委員会は8日、本来合格だった受験者を不合格とした高校の校長1人を減給とするなど、ミスに関わった教員計1037人を同日付で処分したと発表した。

 広瀬渉教育長は入試業務を統括した責任を明確にするため報酬の月額10分の1(3カ月)を自主返納する。処分者数は県内の高校教員約1900人の半数以上に当たり、前例のない規模の処分となった。

 合否判定に影響が及んだ高校の当時の校長を月額10分の1(2カ月)の減給、同校教頭ら計4人を戒告の懲戒処分とした。ミスに関係した他の学校長や教頭ら98人を文書訓告、教諭は実習教諭らを含め934人を厳重注意とした。ミスに関係したものの、既に退職した教員ら240人は処分できず、このうち元校長・教頭は県教委の調査に対して弁明書を提出している。

 県教委は同日、県庁で記者会見を開き、広瀬教育長は「多くの採点ミスにより、受験者や保護者、中学校関係者、さらには県民の信頼を損ねたことに対し、改めて深くおわびする」と謝罪した。処分は基準となる前例がないため、同様の採点ミスがあった神奈川など他県の事例を参考にし、それぞれの職責などを鑑みて総合的に判断したと説明。報酬の自主返納については「現場だけでなく、採点の仕組みに大きな課題があった。組織全体を統括する者の責任は非常に重いと考えた」と述べた。

 入試採点ミス問題は、2017年度に行った高校入試で、不合格になった受験生の保護者から答案の開示請求があり、その確認作業の過程で発覚した。県教委は17年度に加え、14~16年度に行われた入試も調査。公立高と県立中の計52校(定時制5校、分校4校を含む)のうち、47校で計1202件の採点ミスが見つかった。

「けじめ」も改革道半ば
 本県の教育行政を揺るがした公立校入試採点ミス問題で、県教育委員会は高校教員の半数以上となる1037人を処分した。過去最大規模というインパクトを伴って「けじめ」を付けた形だが、失墜した信頼を回復するには実効性のある制度の改善が不可欠だ。2019年度高校入試までは7カ月余りしかない。受験生の努力や思いにしっかりと向き合える態勢の構築が急がれる。

 県教委は既に、答案を複写して行う2系統の採点や解答用紙の改善といった入試ミスの再発防止・改善策を決めている。記述式の削減、配点の統一なども盛り込まれた。近く記述式の設問や解答用紙などのイメージを中学校に示すことにしているが、変更による学習指導や受験生への一定の影響は避けられない。

 受験生はこれまで、試験結果を疑いもなく受け入れ、次の一歩を踏みだしてきた。それが今回のミスで大きく揺らいだ。県教委は採点マニュアルの策定を進めているが、何よりも採点に真摯(しんし)に臨む教員の姿勢が求められる。処分を終えたとはいえ、公平・公正な入試を目指した改革はまだ道半ばだ。
(報道部・小関裕之)

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