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鶴岡の「雷屋」…どうする老朽廃ホテル 管理者不在、解体費は億単位

2018年08月26日 13:45
 鶴岡市堅苔沢の国道7号沿いにある旧ホテル雷屋が管理者不在のまま老朽化し、地元住民が不安を募らせている。外壁は至る所で剥がれ、柵が落下するなど危険な状態が続く。住民は建物の解体を強く望んでいるが、登記簿上は現在もかつての経営会社の所有物になっているため、市も根本的な対応に乗り出せないでいる。

老朽化が進む旧ホテル雷屋。外壁が剝がれ、柵が落下するなどし、付近住民に不安を抱かせている=鶴岡市堅苔沢
老朽化が進む旧ホテル雷屋。外壁が剝がれ、柵が落下するなどし、付近住民に不安を抱かせている=鶴岡市堅苔沢
 ホテル雷屋は1936(昭和11)年に創業し、73年に240人の宿泊が可能な現在の建物を整備。日本海にせり出した波渡崎に位置し、眺望の良さから夏場は海水浴客などでにぎわった。しかし、景気減退の影響で利用者が減少して負債が膨らみ、2007年8月に経営者一家が姿を消したという。その後、弁護士が破産管財人となり、手続きを進めたものの、建物の買い手が付かず、裁判所の許可を得て管理を放棄。それ以降、10年ほど管理者不在の状況が続いている。

 現在は外壁の塗装が剥がれているほか、屋外にある鉄製品は腐食が進み、鉄骨や屋上の柵が落下するなどしている。市は13年4月に施行した「空き家等の管理および活用に関する条例」に基づき、屋上の柵の撤去や、建物に開いた穴を合板でふさぐなどの応急処置を10回ほど行ってきた。

 8年前には近くで工事を行っていた土木業者から「男が出入りしている」との情報が堅苔沢自治会に寄せられた。無施錠の裏口から侵入したとみられ、同自治会が市役所に相談。市職員が建物内を確認したところ、たばこの吸い殻やごみが捨てられているなど寝泊まりしていた形跡があったという。現在は板を打ち付け、裏口を閉鎖している。

 解体に向け、市の対応の壁になっているのが、いまだに建物が実体のない会社「ホテル雷屋」の所有物になっている現状だ。会社財産の清算がされておらず、破産手続きが未完了のためという。

 今回のケースのように登記簿に所有者が記されていても、実質的に管理者不在の場合などは略式代執行で市が解体することは可能だが、費用のほとんどが市の負担になる。解体費は億単位に及ぶと見込まれる。市建築課は「自治会の要望は重く受け止め、対処に向けて動いているが、具体的な対策はまだ決まっていない」とする。

 幸い、これまでに通行人や民家への被害はない。しかし、09年3月には、管理者がいないままでは危険だとして、すぐ近くに住んでいた家族が鶴岡市街地に引っ越した。周辺の自治会で組織する小堅地区自治振興会の本間仁一会長(76)は「景観を損ねているのに加え、地震で倒壊するのではないかと心配している。地域住民が安心して暮らすために、一日も早く解体をしてほしい」と訴えている。

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