県内ニュース

無念…最上地域で稲刈り断念 大雨被害で流木やごみ、冠水で病気

2018年09月22日 11:45
8月末の豪雨で大量の流木やごみが入り込んだ水田。コンバインが入れない部分は手作業で刈り取るという=戸沢村神田
8月末の豪雨で大量の流木やごみが入り込んだ水田。コンバインが入れない部分は手作業で刈り取るという=戸沢村神田
 8月に度重なる大雨被害に見舞われた最上地域では、収穫期を迎えた水稲に大きな影響が出ている。冠水が原因で病気にかかるなどして生育が進まず、収穫を断念した生産者も。コンバインが残された流木やごみを巻き込んで故障したり、ぬかるんだ水田で動けなくなったりするケースもあり、豪雨の爪痕に農家が苦しんでいる。

 「悔しいが今年は諦め、来年に向けてまた頑張るしかない」。新庄市升形の専業農家、冨沢善兵エさん(67)は肩を落とした。升形地区では8月の大雨で近くを流れる鮭川や升形川の水があふれ、一部の水田が複数回冠水した。出穂期に水につかったため生育が進まず、病気で既に枯れた稲もあった。冨沢さんは約70アールの「はえぬき」の収穫を断念した。追い打ちをかけるように降った8月末の大雨で稲の病気が悪化したという。

 翌年の稲作のため、収穫できなかった稲は細かく裁断する必要がある。冨沢さんのほか、複数の農家から委託を受けて作業している農業法人藤ファーム(戸沢村津谷)の二戸部康之代表は、田んぼに横たわる実った稲穂をじっと見詰め、つぶやいた。「これまでの農家の苦労を思うと非常に心苦しい。本当は収穫したいが、来年のことを考えれば仕方ない」

 戸沢村神田の農業鈴木一美さん(64)は約150アールの田んぼが冠水した。流されてきた大量の流木や角材が収穫の大きな妨げになっており、機械が入れない部分は手作業で刈り取るしかない。数日前、委託を受けて行った収穫作業では、見えない部分に残っていた木の枝やごみを巻き込み、コンバインが故障する事態も起きた。

 鈴木さんは、今年の収量は昨年の3分の1程度になると見込む。知り合いには豪雨被害の影響で営農を諦め、水田を放棄した人もいる。「手作業の収穫は途方もない時間がかかり、体力的にも厳しい。しかし設備投資をしたばかりなので、いくらかでも収入を得ないと…」。そう言って頭を抱えた。

 県最上総合支庁によると、8月上旬の豪雨による最上地方の水稲被害は約6億5千万円に上っている。同月下旬の大雨で被害額はさらに拡大した。特に被害の大きかった戸沢村では2度の大雨による水稲被害額は村役場の調べで、計約3億8900万円に膨らんでいる。

複数回の冠水被害を受け、収穫を断念した水田。トラクターが稲を細かく裁断していた=新庄市升形
複数回の冠水被害を受け、収穫を断念した水田。トラクターが稲を細かく裁断していた=新庄市升形

関連記事

by weblio


おすすめニュース

文字サイズ変更
  • 小
  • 中
  • 大

県内7市発行メールマガジン登録無料

ふるさとだより

毎週木、金曜日配信中!

ニュース特集

スポーツ

教育・子育て

おでかけ

暮らし情報

twitter発信中

山形新聞からお知らせ

  1. 【2018年8大事業】
     山形新聞、山形放送の2018年の8大事業が決まりました。詳しくは、こちらから
  2. 【やましん公式FB】
     山形新聞社は、インターネット交流サイト「フェイスブック(FB)」の公式ページを新設しました。
     公式ページでは山形新聞のニュースのほか、本社からのお知らせなどを中心に紹介します。
     アドレスは、こちらから
  3. 【やましんe聞で動画視聴】
     読者限定の電子版「やましんe聞」で動画を閲覧できる新サービスを始めました。詳しくは、こちらから。
  4. ◆中学、高校の各種スポーツ大会の記録を紹介。検索機能も備えています。アクセス方法はこちら
  5. ◆探したい記事がきっと見つかる、山形新聞記事データベース。他社DB横断検索が便利な日経テレコンジー・サーチファクティバ
  6. ◆県外でも今日の朝刊が朝一で読める「お届け電子版
  7. ◆ニュース速報、高校野球、モンテ情報、おくやみ… 身近な情報を携帯で確認「モバイルやましん
  8. ◆故郷の話題をメールでお届け、ふるさとメール会員募集(登録無料)
山形新聞から
販売から