県内ニュース

「緩く生きる」もいいよ ロンドン地下鉄公認音楽家・酒田出身の土門さん

2018年09月25日 10:43
ロンドン地下鉄での演奏時に愛用していたギターをつま弾く土門秀明さん=酒田市
ロンドン地下鉄での演奏時に愛用していたギターをつま弾く土門秀明さん=酒田市
 日本人初の英国・ロンドン地下鉄公認音楽家となった酒田市生まれのミュージシャンがいる。酒田商業高(現酒田光陵高)出身の土門秀明さん(53)=東京都=だ。2005年7月のロンドン同時爆破テロ直後の空気を肌で感じ、10年近く個性豊かな現地の人々と交流。本県の母なる川・最上川をテーマにした曲も演奏した。その間につづった日記をまとめた書籍「完全版 地下鉄のギタリスト」がこのほど出版された。

 「知り合いのバスカー(駅構内で活動するミュージシャン)が演奏していた。曲はビートルズの『Let It Be』だった。(中略)長い通路の奥から聴こえてくる力強いギターと歌は、僕の胸にジーンと響いた。間違いない。テロの犠牲者とロンドン市民のために、彼は『魂のバスキング』を決行しているのだ」。05年のロンドン同時爆破テロ翌日の日記だ。

 同じ年の4月に土門さんのギターに合わせて歌い出した女性についてはこんな感じだ。「彼女の歌はどう聴いたって詩もメロディーもぜんぜん違う。というか、あまりに音痴だ。(中略)しかし、しかしである。不思議なことに、チップがバンバン入ってくるのだ」

 土門さんは酒田商高を卒業後、東京で活動。バブルガム・ブラザーズのバックでギタリストを務めるなどした。その後「自分のバンドをやりたい」と独立したものの、うまくいかず、サラリーマンなどを経験。人間関係や日々のストレスに嫌気が差し、もう一度音楽がやりたいと01年ごろに単身、渡英した。

 03年にロンドン地下鉄公認のバスカーライセンスを取得し、12年まで活動した。折り畳みいすに座り、ナイロン弦を張ったアコースティックギターでインストゥルメンタルを弾くのが当時のスタイルだ。

「完全版 地下鉄のギタリスト」
「完全版 地下鉄のギタリスト」
 演奏した曲は多彩だ。マイケル・ジャクソンの「ヒール・ザ・ワールド」からオズの魔法使いの劇中曲「オーバー・ザ・レインボー」、オリジナル曲では最上川をイメージした「モガミ・リバー」のほか、鶴の恩返しをテーマにした「クレイン・ガール」など。

 「ロンドンでの生活はしがらみもなく、日本で暮らしている時よりも気楽で幸せな時間だった」と土門さん。現在は国内に拠点を移し、バーやイベント、病院などさまざまな場所で演奏活動を続けている。「日本でもバスカーみたいな生活をしています」と笑う。

 「完全版 地下鉄のギタリスト」はアルファベータブックスから出版。05年の日記をまとめて06年に出した同名書籍に未発表の日記とコラムを追加。撮りためていた写真を多数掲載し、現地で演奏したものなど16曲入りCDも付けた。四六判で320ページ、2700円。全国の書店で扱っている。土門さんは「帯に『人生を変えろ!』とあるが、それは『緩く生きる方法もあるよ』という意味。ギスギスしている日本の中で生きづらく感じている人にこそ読んでほしい」と話した。

関連記事

by weblio


おすすめニュース

文字サイズ変更
  • 小
  • 中
  • 大

県内7市発行メールマガジン登録無料

ふるさとだより

毎週木、金曜日配信中!

ニュース特集

スポーツ

教育・子育て

おでかけ

暮らし情報

twitter発信中

山形新聞からお知らせ

  1. 【2018年8大事業】
     山形新聞、山形放送の2018年の8大事業が決まりました。詳しくは、こちらから
  2. 【やましん公式FB】
     山形新聞社は、インターネット交流サイト「フェイスブック(FB)」の公式ページを新設しました。
     公式ページでは山形新聞のニュースのほか、本社からのお知らせなどを中心に紹介します。
     アドレスは、こちらから
  3. 【やましんe聞で動画視聴】
     読者限定の電子版「やましんe聞」で動画を閲覧できる新サービスを始めました。詳しくは、こちらから。
  4. ◆中学、高校の各種スポーツ大会の記録を紹介。検索機能も備えています。アクセス方法はこちら
  5. ◆探したい記事がきっと見つかる、山形新聞記事データベース。他社DB横断検索が便利な日経テレコンジー・サーチファクティバ
  6. ◆県外でも今日の朝刊が朝一で読める「お届け電子版
  7. ◆ニュース速報、高校野球、モンテ情報、おくやみ… 身近な情報を携帯で確認「モバイルやましん
  8. ◆故郷の話題をメールでお届け、ふるさとメール会員募集(登録無料)
山形新聞から
販売から