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虫の食害深刻、樹氷「大丈夫?」 蔵王・地蔵山頂駅付近、打開策見い出せず

2018年10月08日 10:44
紅葉が見頃を迎えた蔵王で、枯れたアオモリトドマツが目立つ=山形市・蔵王ロープウェイ地蔵山頂駅周辺
紅葉が見頃を迎えた蔵王で、枯れたアオモリトドマツが目立つ=山形市・蔵王ロープウェイ地蔵山頂駅周辺
 山形市蔵王温泉の地蔵山頂付近で、樹氷をつくるアオモリトドマツが害虫に食べられ、枯れる被害が拡大している。国内外の観光客を魅了する「スノーモンスター」の受難は打開策が見いだせていない。紅葉狩りの観光客から心配の声が聞かれ、関係者は頭を悩ませている。

 山形森林管理署によると、枯死の原因となっているのはトドマツノキクイムシ。木の内部に入り、枯れるまで食い尽くすため、樹木が再生することはないという。被害は2016年6月から確認されている。

 同署は蔵王ロープウェイの地蔵山頂駅(標高1661メートル)―樹氷高原駅(同1331メートル)の9カ所でサンプル木を調査している。17年の調査では地蔵山頂駅近くの2地点でサンプル木のほぼ100%が被害に遭っていた。今年の調査結果は取りまとめ中だが、被害は年々、麓の方に広がっている。被害を止める方法は見つかっていないという。

 蔵王の自然環境を研究する山形大の柳沢文孝教授は「木々の状況は心配だが、まだ(立っている)本数があり、当面は樹氷の出来にはそれほど影響はないと考える」とする。ただ、枯れ木は葉がないため、風が通過して水滴が付着しにくく、「ずんぐりむっくりした本来の樹氷」にはなりにくいという。

 地蔵山頂駅で勤務する蔵王ロープウェイ社員は毎日、降り立つ観光客から枯れ木について問われ、「樹氷は大丈夫?」と、心配の声が相次いでいるとする。樹氷が最も美しいとして、これまで強くアピールしてきた地蔵山頂駅周辺などでの被害が大きく、同社担当者は「年々深刻さが増しているが、どうしようもない」とため息交じりで話した。

 蔵王は国定公園で特別保護地区に指定されており、倒れた樹木の撤去などは許可が必要だ。アオモリトドマツは樹高が高いもので7メートルほどあり、樹齢は70~80年と推定される。山形森林管理署などは現地に種をまいたり、下草を刈ったりし、新しい木を育てようと試験を重ねている。しかし、被害が甚大な地蔵山頂付近では環境が厳しいこともあり、若木はまだ確認できていない。「被害木が持ちこたえてくれれば」と同署の担当者。今のところ、願うしかないのが実情だ。

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