県内ニュース県内3行、中間決算出そろう
2018年11月14日 11:33
きらやか銀行(山形市)の親会社じもとホールディングス(HD、仙台市)は13日、2018年9月中間連結決算を発表し、県内の地銀3行の業績が出そろった。山形銀行は増収で純利益が前年同水準となった一方、荘内、きらやかの2行は減収減益となり、内容が分かれた。
本業のもうけを示すコア業務純益は山形、きらやかの両行が前年同期比プラス、荘内はマイナスだった。経常利益は3行とも増加した。日銀のマイナス金利政策による経営環境の厳しさは続いており、各行は引き続き経営改善に力を入れる。 店舗数や行員数などのスリム化によるコスト削減について、山形銀行の長谷川吉茂頭取は、昨年実施したブランチ・イン・ブランチ(一つの店舗内で二つの支店が営業する)方式での統合に触れ、「合理化には取り組まなければならないが、高齢者のことも考えなければならない。一番大切なのは行員を育成し、収益性の高い仕事をしてもらうことだ」と述べた。 荘内銀行の上野雅史頭取は人口減少やフィンテック(ITを活用した先進的な金融サービス)など非対面チャンネルの発展に伴う、店舗戦略の抜本的見直しを説明し「コンサルティング営業を強化している。店舗統合により、高いスキルを持った人員を営業に投入できる」とする。 きらやか銀行の粟野学頭取は「店舗数はもう少し削減できると考えており、現金自動預払機(ATM)は外部との提携で自前の数を縮小させていく形になる。顧客と接する行員数を守りつつ、バックオフィス(事務、管理業務部門)を効率化していく」と話した。 きらやか銀、経常利益3.7%増加 じもとHD傘下のきらやか銀行単体の純利益は、前年同期比9.3%減の9億100万円だった。経費の削減で経常利益は3.7%増の13億4900万円となったが、法人税等調整額の増加から最終減益となった。一般企業の売上高に相当する経常収益は1.3%減の108億9200万円だった。 経常収益は国債等債券損益がプラスに転じたものの、貸出金利息収入や有価証券利息配当金など資金利益の減少が響き、減収となった。一方、本業のもうけを示す実質業務純益は58.3%増の16億1500万円。働き方改革に伴う時間外労働の減少により人件費が減った効果が大きかった。債券関係損益を除いたコア業務純益は9.1%増の14億5600万円。 与信関係費用は前年同期が3億2500万円の戻し入れだったのに対し、今回は貸倒引当金戻入益や株式売却益の減少に加え、不良債権処理額が増加したことなどから800万円を計上した。 中間期末の預金残高(譲渡性を含む)は個人預金の高利回り商品を抑制するなどし、2.2%減の1兆2891億6700万円となった。貸出金残高は1.2%減の1兆100億6700万円で、地方公共団体向けなどが減少したが、中小企業向けは97億9600万円増えた。 自己資本比率は今年3月末比で0.04ポイント上昇の8.60%。金融再生法に基づく不良債権の総額は149億9200万円で、今年3月末に比べて15億2700万円減少した。不良債権比率は0.14ポイント改善の1.45%。担保や引当金による保全率は73.48%。 じもとHDの連結経常収益は0.8%増の213億9800万円、経常利益は17.1%増の17億6千万円、純利益は4.9%増の12億4200万円。HD傘下の仙台銀行単体の経常収益は7.1%増の81億8800万円、経常利益は6.1%増の8億6700万円、純利益は9.7%減の7億4100万円だった。 また、じもとHDは同日、通期業績予想を上方修正して発表した。経常利益は今年5月に公表した25億円から30億円、純利益は21億円から26億円とした。きらやか銀行は変わらず、仙台銀行は経常利益が8億円から13億円、純利益は6億円から11億円に引き上げた。
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