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自閉症の小島さんが詩集出版 米沢「つづった悩み励ましになれ」

2019年01月21日 12:25
作った詩について、父親の小島幸二さん(左)と意見交換する小島拓也さん
 過去の嫌な記憶などが突然、頭をよぎる自閉症特有の症状と向き合い、その悩みや不安に対する答えを詩で表現している米沢市の小島拓也さん(25)が詩集「励ましのあやとり」を出版した。詩を作るのは悩みに区切りを付け、自分を励ますためだったが「誰かを励ます言葉になれば」と小島さん。優しく語りかけるようにつづられた言葉は、じんわりと心に染み入る。

 小島さんは17歳の時に広汎(こうはん)性発達障害(自閉症スペクトラム障害)と診断された。ほかの人とコミュニケーションを取ることが困難で「本人は毎日、すごく不安を抱えて生活している」と父親の幸二さん(65)は語る。自分の思いや考えをうまく伝えられずにいた小島さんに2014年3月、転機が訪れる。

 両親と書家・相田みつをさんの美術館(東京都)に出掛けた。「人間だもの」に代表される人の弱い部分を認める世界観に触れ、強い衝撃を受け、「一皮むけた」という。それまでは「なぜ自分は自閉症なんだ」と自己否定していたが、「受け入れる強さ、正面から向き合うことの大切さを知った」と振り返る。

 小島さんは過去の嫌な思い出がフラッシュバックすることがある。解決できず、さいなまれる。詩を作るのは、この時だ。「自分と深く向き合い、自分なりの答えを出す」。方向性を見いだすと「気持ちが楽になる」という。突然のフラッシュバックに備え、書きとどめる器具は常備している。現在使っているのは携帯電話。ガラケーと呼ばれるタイプだ。メモ機能に打ち込む。入力はもどかしいが、「一番しっくり来る」という。

 詩集には17、18年に作った140作品を掲載した。それぞれの詩のタイトルは「花」「ルール」「時」「生きること」など至ってシンプルだ。お気に入りの作品は「想い」。理想とする姿と克服できない自閉症の自分との葛藤に悩んでいた時にできたという。

 詩集は文芸社(東京)が出版した。1冊1100円で、初版は千部発行した。県内の書店で販売している。小島さんは「誰かが何かで思い悩んでいる時に現実を乗り越えるパワーになるような詩集になったらうれしい」と話している。

詩集「励ましのあやとり」
想い
想いがあれば 育つ夢
想いが描く 未来の自分
自分のために できること
今 やれること 一つずつ
基本を学び 基礎を固め 基礎を築く
毎日の行い 毎日の積み重ね
ゆっくり ゆっくり進みだせ
夢に向かって歩きだそう

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