県内ニュース空き家再編、「ランドバンク」設立へ 上山、官民一体で子育て世代呼び込む
2019年02月11日 12:14
空き家や空き地などを一体的に再編し、良好な宅地を生み出すランドバンク事業。上山市で今春、市や地元不動産会社、大学、関係団体が「NPO法人かみのやまランドバンク」を設立する。敷地や隣接する道路が狭く、処分や活用がしにくい市中心部の空き家の解体や売却を進め、道路も含めて周辺一帯を官民一体で再編整備し、土地の価値を高めて子育て世代の定住促進などを目指す。
同市の空き家は2017年12月現在、373戸。単身高齢者世帯も増えており、今後の増加が懸念される。市中心部でも城下町という地形が影響し、敷地や道が狭い土地が多いため不動産売買が難しく、老朽化したまま放置される例も目立っている。 空き家や空き地の活用は、法律や相続問題などの専門的な知見が必要。NPO法人の設立は、専門家が集まり、各分野の課題解決を図りながらアイデアを出し合い、土地の魅力を高め、空き家問題が深刻化する前にスピード感を持って対応していくのが狙い。 メンバーには市、県宅地建物取引業協会、県司法書士会、県土地家屋調査士会、県建築士会、市商工会、市シルバー人材センター、市金融協会の各団体、市と空き家対策の連携協定を結ぶ明海大(千葉県浦安市)、東北芸術工科大が名を連ねている。 ランドバンク事業の対象は市中心部。市が所有者にランドバンクへの空き家や空き地の登録を呼び掛け、集まった物件や周辺環境を考慮した敷地再編や道路拡幅などの地域再生プランを作成する。プラン事業化の依頼を受けたNPO法人が採算性などを検討し、実現の可否を判断。可能となれば不動産業者や建設業者などのNPO法人メンバーが所有者との売買交渉や宅地造成、販売などを進める。 市建設課は「市中心部に居住を望む子育て世代の声はあるが分譲地が少ない。城下町特有の道が狭くクランクが多いといった不便さもあり、希望に応えられていないのが実情。市も積極的に物件の掘り起こしに関わり、土地の再編を進めることで課題を解消し、若い家族のニーズにあった良好な環境の宅地提供を図りながら、定住促進につなげていきたい」としている。
おすすめニュース
|
文字サイズ変更
山形新聞からお知らせ
|