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再建難航、ファンドへ募る不信 大沼の取引企業や社員が憤り

2019年02月20日 07:34
19日も通常通り営業した大沼山形本店=山形市七日町
 親会社の投資ファンドの経営難により、経営再建が難航していることが判明した百貨店・大沼(山形市、早瀬恵三社長)は19日、山形市の山形本店での通常営業を続けた。出資金がファンド側に環流し、資金繰りに窮している現状に関し、取引企業は不信感を募らせ、大沼社員からは「投資ファンドは早く出て行ってほしい」との手厳しい声が聞かれた。

 大沼は昨年4月、マイルストーンターンアラウンドマネジメント(MTM、東京、早瀬社長)の100%出資子会社となり再出発した。だが、MTMは6億円の出資計画に対し3億円しか集められず、そこからMTMにコンサルタント料、弁護士費用、「仮払金」が支払われ、大沼には約4千万円しか残らなかった。

 従業員はMTMに不信感を募らせている。ある女性社員は「早瀬社長は1回しか見たことがなく、信頼構築以前の問題だ」と断言。3月末までに資金調達する考えを示した早瀬社長に対し「今まで何度も裏切られた。信じろと言われても無理だ」と語気を強めた。MTMに替わるスポンサーを探す動きがあることに「大沼は山形の会社。県内に助けてくださる方がいれば、ありがたい」とした。別の女性社員は「説明がなく状況も分からず、先行きが心配だ」と不安顔。「MTMは早く大沼から出て行ってほしい」と話した。

 大沼に衣料品や食品を納める業者は早瀬社長に状況説明を求めているが、実現していない。山形市の男性経営者は「早瀬社長は月1回程度しか山形に来ず、経営への助言はないと聞いた。取引業者の中で不信感が広がっている」と憤る。別の納入業者の男性は山形本店の改装計画に対し「実現するつもりがあるのか疑問だ」と首をかしげ、「百貨店について真面目に考えてくれる人に経営を担っていただきたい」と述べた。

 山形本店では同日朝、緊急朝礼が開かれ、社員には「心配せず、お客さまの問い合わせには変わらず営業すると答えるように」と説明されたという。

 佐藤孝弘山形市長はこの日開かれた市中心市街地活性化戦略本部会議の席上「大沼は市民が親しみ、愛してきた百貨店で、なくてはならない存在だ。経済界と協議し、できることを考えたい」と述べ、近く市の方針を示す考えを明かした。

非業務執行取締役・長沢氏の退任決定
 大沼は同日、取締役会を開き、昨年9月まで社長を務めた長沢光洋非業務執行取締役の退任人事を決めた。早瀬恵三社長の意向による解任とみられる。長沢氏は山形新聞の取材に対し「大沼は山形の宝。県民は老舗百貨店の灯を消さないでほしい」と話した。

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