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食品乾燥技術でキルギスに挑む 米沢・サント電業、事業化模索

2019年03月22日 10:52
自社の乾燥装置を使ったドライフルーツを手にする嶋貫昭一社長。事務所の壁には数々の特許が並ぶ=米沢市・サント電業
 食品の常温乾燥装置の製造販売などを手掛けるサント電業(米沢市、嶋貫昭一社長)が、中央アジアのキルギスで自社の乾燥技術を活用したビジネス展開を計画している。キルギスで乾燥装置と乾燥食品の製造販売、農業技術の普及に取り組むことで、自社の利益確保に加えて同国の農家の所得向上も目指す。国際協力機構(JICA)の委託を受けて、事業化の可能性を探る案件化調査を始めている。

 サント電業の乾燥装置は常温に近い風を用いることで、成分や風味などをほとんど損なわず、食品を“そのまま”の状態で“まるごと”乾燥できる。独自技術で乾燥ムラを抑えたことが他社との差別化のポイントだ。ドライフルーツなどの製造用として、全国の食品メーカーや農業生産者に向け、これまで大小合わせて約160機を販売している。

 キルギス進出のきっかけは、2年前に同国の大手商社から入った1本の電話だった。農業が基幹産業の同国だが、農産物のバリューチェーン(価値の連鎖)が確立されておらず、貧困率が高いという。農産物の高付加価値化の決め手として、同社の乾燥技術に白羽の矢が立った。

サント電業が製造する食品乾燥装置(同社提供)
 同社の乾燥装置は、食材の種類や量などによって大きさや設定を変える受注生産方式で製造している。キルギスでの技術普及のためには、機械を売るだけでなく、機械の作り方や使い方も普及させる必要があるとして、同国の関係者と交渉を進めてきた。同社は技術支援に徹し、事業主体は同国に任せる方針。また「農業技術そのものに改善の余地がある」とも考えた。キルギスから置賜に農業研修生を受け入れることで、技術の普及に加え、地元の人材不足の解消も目指す計画だ。

 昨年秋には、途上国の開発ニーズと国内中小企業の技術を結び付けるJICAの「案件化調査」事業に応募。今年1月に採択が決まり、最大3千万円の支給を受けて事業の可能性の本格的な調査を始めている。年内に、より具体的な段階に踏み込んだ「普及・実証事業」の採択も目指す。

 嶋貫社長(61)は「技術は数カ月で教えきれる訳ではない。(キルギスに)骨をうずめないといけないかもしれない」と覚悟を決めている。「技術の普及がうまく行けば、現地に落ちる金が飛躍的に伸びる。農業の人手が不足している地元にも好影響をもたらす『ウィンウィンの関係』の良い前例にしたい」と意気込んでいる。

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