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車の廃材、海で役立って 県内の市民団体が再利用事業スタート、今夏完成へ

2019年06月24日 12:17
ライフジャケットに使われる発泡スチロールの成形に励むみちのく屋台こんにゃく道場の利用者=山形市
 県内の環境関連のNPO法人などでつくる市民団体「ドリームやまがた里山プロジェクト」(代表理事・小谷卓鶴岡工業高等専門学校名誉教授)が、廃棄された車のエアバッグやシートベルトを再利用し、ライフジャケットと海洋生物の産卵床を製作する事業をスタートさせた。今夏の完成を予定しており、海上の安全と海洋環境保全に関する啓発活動などに役立てる。

 同団体は2015年、社会貢献事業を推進しようと設立された。会員22団体、賛助会員1団体で構成する。使用済みパーツの再利用は、県内で廃棄される車両が年間約4万台を数えることに着目し、循環型社会を目指す「自動車のリサイクルによる安全で豊かな海を~山形方式」として展開。日本財団の本年度の助成を受けた。

 ライフジャケットにはエアバッグと発泡スチロールを使う。県自動車販売店リサイクルセンター(山形市)からエアバッグを買い取り、染色や縫製を各事業所に有償で依頼。発泡スチロールはエーコープ庄内などから無償で回収した。大人用20着、子ども用80着を7月中旬までに作る予定で、これを活用し、着用率向上を訴えるイベントを夏から秋にかけて海岸やダムで実施する。その後は、海辺に関わる団体への寄贈を検討している。

 製作には障害者らが関わっている。山形市の障害者就労支援施設・みちのく屋台こんにゃく道場の利用者は5~6月、ライフジャケットに生まれ変わる発泡スチロールの成形などに携わった。材料を無駄にしないよう型紙を当てて線を引き、専用カッターで丁寧に作業したという。

 一方、産卵床は、シートベルトを縫い合わせて海藻の役割を持たせ、アルミ製ホイールを溶かして岩に見立てる。遠浅で岩場が少ない日本海沿岸に設置し、すみかとする小魚を増やす試み。8月以降に設置し、4~5カ月後に成果を検証する。

 ほかにも環境保全の啓発として、海洋ごみ削減に向けた水質検査や川の清掃を行う。本県は海岸線当たりの海洋ごみ密度が全国ワーストといい、内陸部から河川を通じて海に流れるごみは多い。庄内に加えて上流部の置賜でも調査イベントを行う計画で、いずれも会員団体が関わり、地域住民を巻き込んで繰り広げる予定。高橋雅宣事務局長は「人の命を預かっていた車の廃材をリサイクルし、海上で人命や生物を守るという使命を持たせるのは意義深い」と話している。

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