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【2019参院選】攻防の思惑(上) 大沼瑞穂陣営(自民)

2019年07月12日 07:40
第一声で県選出衆院議員や佐藤孝弘山形市長らと気勢を上げる大沼瑞穂候補=4日、同市役所前
 第25回参院選は、21日の投開票まで10日を切った。県選挙区(改選数1)は事実上の一騎打ちを演じる自民現職の大沼瑞穂(40)、無所属新人の芳賀道也(61)の両候補による攻防が一段と激しさを増してきた。しのぎを削る両陣営の現状と、吉村美栄子知事や首長の動向を追った。(文中敬称略)

 県内経済界の中核をなす約800社が企業後援会に名を連ねた。全13市のうち尾花沢を除く12市長、町村長や町村議会議長の有志、それに県農協政治連盟から推薦を得た。大沼の選挙態勢は初陣を飾った6年前と比べても盤石に見える。だが、選対幹部は不安を口にした。「陣立ては立派だ。それが本当に集票に結び付くかどうか」

当初は温度差も
 大沼が初当選した2013年の参院選は第2次安倍内閣の高い支持率を追い風に、みどりの風現職の舟山康江(現参院議員)を退けた。全面的に支えたのは当時県連会長の衆院議員遠藤利明(県1区)だった。大沼は当選後、6年かけて市町村やブロック単位の後援会を各地に組織した。しかし、当初、これらが機能しているとは言い難く、陣営内には温度差が目立っていた。党関係者から「大事なのは必ず勝てるという地域をどれだけつくれるか。6年間もっと県内で活動すべきだったのでは」との苦言も聞こえてきた。

 公示直前の2日、党県連幹事長坂本貴美雄は選対本部の各ブロック長を務める県議らを集めた。「大沼さんだけの選挙ではない。党として負けられない。その後の選挙に必ず影響してくる」。そう語気を強め、ハッパを掛けた。

 本県選挙区を「激戦区」と位置付ける党本部は、6月下旬に大沼の選挙事務所に職員を派遣した。公示日に幹事長二階俊博、7日には官房長官菅義偉が来援し、その後も首相(党総裁)安倍晋三をはじめ、閣僚級が次々に県内入りしている。「相手(芳賀)に先を越された感はあるが、ようやく勢いが付いてきた」。遠藤は11日、天童市内の街頭演説で声を張り上げた。

 陣営の誰もが勝敗を決する最重要地点とみるのが、県内有権者数の2割超を占める県都山形市。だが、参院選の自民候補は野党のライバル候補に同市で5連敗を喫している。16年は野党候補に2万4171票の大差を付けられ敗戦。大沼が当選した13年も1545票差で後塵(こうじん)を拝した。選対幹部は苦戦し続けてきた経験を踏まえ、「新人の相手陣営に差を開けられるわけにはいかない。少なくともイーブンに持ち込みたい」と本音を漏らす。

 選対に入る党山形市支部、経済界などの関係者は7日、緊急に選挙事務所に集まり作戦を練った。「企業回りなどを徹底しなければ。どぶ板選挙だ」。切羽詰まった声が飛び交ったという。

市長選への影響
 山形市の票の行方は9月の市長選にも影響しかねない。市役所前で行われた大沼の第一声で、2期目を目指す市長佐藤孝弘は「声掛けに勝る選挙はない。その積み重ねが勝利への近道だ」と訴えた。その4日前の6月30日、佐藤の市政報告会で、選対本部長の衆院議員鈴木憲和(県2区)は「山形市の勝利なくして、大沼さんの勝利はない」と佐藤の後援会にプレッシャーをかけた。広範な支持層を持つ佐藤は大沼陣営の頼みの綱の一つ。佐藤との連携が集票の鍵を握る。

 「ここ山形市が主戦場です」。大沼本人は公示日の夜、山形市内の個人演説会を、こう締めた。最上地域での街頭でも「山形市に友人がいたら、ぜひ声掛けを」と求める徹底ぶりだ。陣営の誰もが口にする「厳しい選挙」を制するため、選対関係者は言う。「(閣僚級による)空中戦を展開しつつ、県議、市町村議の後援会をフルに動かすしかない。党のメンツに懸けて勝たなければならない」
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