三菱自動車が世界最大市場である中国の自動車生産から撤退を検討していることが28日、分かった。電気自動車(EV)が急速に普及し、地場ブランドが存在感を高める中国市場への対応が遅れて販売が振るわず、3月から生産を停止していた。今後は重要市場と位置付ける東南アジアに経営資源を集中する。
中国では、地場ブランドの台頭に加え、EV大手の米テスラも販売を強化している。三菱自の中国での販売台数は2018年度の約14万1千台から、22年度には約3万1千台に落ち込んだ。
三菱自は、現地合弁会社の広汽三菱汽車と、湖南省にある工場でガソリン車を中心に生産を手がけてきたが、販売不振で3月から停止。今後も回復が見込めず再開を断念する。昨年12月には主力のスポーツタイプ多目的車(SUV)「アウトランダー」の新型ハイブリッド車(HV)を投入したが、販売が低迷して計画に届かなかった。
三菱自は現地の経営に関し「今後については株主間で話し合いを続けており、決まったことは何もない」としている。
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