子ども向けにお金にまつわる出張授業を手がける女性コンビ「キャサリン&ナンシー」が学校現場で引っ張りだこだ。白衣に鼻眼鏡といういでたちで、お小遣いの使い方から老後に備えた資産形成まで幅広いテーマを分かりやすくかつ面白く伝える。大手証券会社出身の2人は「お金の知識はみんなが学ぶ必要がある」と語り、テンポの良い掛け合いで各地を回る。
「お金を上手に使おうと思ったら四つのやり方がありますが、何でしょうか」。昨年12月、兵庫県伊丹市の中学校でナンシーこと西岡奈美さん(42)が生徒たちに問いかけた。答えは「ためる、使う、譲る、増やす」で、必ず伝える考え方だ。「貯金は手取りの2割」「投資は準備が整ってから」。生徒たちは興味深そうに耳を傾けた。善住樹教諭(23)は「お金について教える自信がなかった。実用的な内容で勉強になる」と話した。
西岡さんとキャサリンこと竹内かおりさん(44)は同じ証券会社で営業担当だった。結婚を機に退社し、2013年から活動を開始。子育ての合間を縫って地道に回を重ね、これまでに実施した講座は400回近くを数える。金融庁や企業が親子向けに行う講座に呼ばれることも増え、昨年4月に株式会社「マネイク」を立ち上げた。教材の執筆や企業向けのコンサルティングで収益を上げる。
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