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秋葉原事件、加藤被告の供述要旨 

2010年07月30日 20:07
 秋葉原の無差別殺傷事件で30日、東京地裁であった加藤智大被告の3回目の被告人質問の供述要旨は次の通り。

 【犯行】

 前を走っていた白い車を対向車線にはみ出すように追い抜いて交差点に進入した。目の前に並んでいた2人をはねた。車を止め、どうしたらいいか分からず体が動かなかったが、「あ、次はナイフか」と頭に浮かんだ。かばんの中のナイフを取り出そうとしたが、体が動かなかった。

 右腰にぶら下げていたナイフを右手で持って車を降り、交差点の方向に走っていく途中に白い服の人の背中を刺した。ためらいはなかった。このような言い方をすると本当に申し訳ないが、たまたま目に入った人を刺したといえる。

 次に青いシャツの人がしゃがんで背中を向けているところを刺した。立ち止まり、ナイフを持った腕を振るような感じで背中を刺した。一瞬「警察官はまずい」と思った。青いシャツから警察官だと思った。

 「逃げろ」と大声で叫んでいる人や自分を中心に円が広がるように人々が逃げていくのを見た。その後、白い服を着ていた人を刺したような記憶があるが、誰を刺したのか分からない。

 刺した人について覚えているのは、白い服の人、青い服の人、そしてもう1人の合わせて3人。もっとたくさんの人に攻撃を加えていることは間違いないが記憶がない。

 次の記憶は警察官に左の額を警棒で殴られているところ。向かい合った警察官が拳銃を抜くしぐさをしたので、両手を上げた。

 「ナイフを捨てろ」と言われ、一瞬、ナイフを持っていたのを忘れていたような感覚があったので「ん?」と思ったが、右手のナイフに目がいき捨てた。何がどうなったか分からないが制圧されていた。

 【警察の取り調べ】

 逮捕当日の取り調べで、「何でこんなことをしたんだ」と聞かれたが、何も答えられなかった。「黙っていないで、何とか言え」と言われ、ぽろっと「疲れました」という言葉が出た。「何に」と聞かれ、考えてから「人生に」と答えた。

 その後、別の刑事に事件3日前に職場でツナギがなくなったと言ったら、事件の動機と決め付けたので、自分でもそう思ってしまった。

 後悔の念と真相を明らかにしたいと考え、覚えていなくても推測で話した。ツナギの件がきっかけで事件を思い付いたという内容の調書になった。記憶にないので訂正を求めたが、応じてくれなかった。

 【検察官の取り調べ】

 検察官も同じような内容の調書を取ったので訂正を求めたが、応じてくれなかった。事件を起こした罪悪感があったので強く言えなかった。

 ほかにも、人を殺すつもりで事件を起こしたのではないと説明したのに「人を殺すためにナイフを買い、トラックを借りた」と調書に書かれた。

 「事件当日の朝にスレッドを立てた」という点も訂正を求めたが、応じてくれなかった。

 取り調べを録音録画するときに「訂正してくれない」と言おうと思ったが、言葉にできなかった。首をかしげる態度でしか示せなかった。

 【動機】

 掲示板のわたしのスレッドで「成り済まし」「荒らし」といった嫌がらせをした人に報道を通じて事件を起こしたことを知ってもらいたかった。嫌がらせを止めてほしかったと伝えようとした。

 掲示板での人間関係は当時のわたしにとって非常に重要なもの。それを奪われ、家族や最も親しい友人を失うような気持ちになった。

 逮捕されれば掲示板を使えなくなるが、目の前のことでいっぱいいっぱいだった。もっと先を見通して行動すべきだったと後悔している。

 【謝罪】

 被害者や遺族の方は、そんなくだらないことで事件を起こしたのかと、怒りが再燃していると思う。人生これからという大学生の命を理不尽に奪った。

 トラックで川口隆裕さんをはねた時に目が合ったことは脳裏に焼きつき忘れられない。

 拘置所のラジオでカメラのコマーシャルが流れると、カメラを買いに来ていたという中村勝彦さんを思い出し、心臓が縮むような思いになる。

 「反省したから何なの」という遺族の方もいる。警察からの連絡を拒否するほど精神的に傷ついた被害者や下半身まひが一生残る被害者もいると聞いている。

 料理人として将来、自分のお店を持ちたいと考えていたと思う松井満さんの命も奪った。松井さんの料理を楽しみにしていた多くの方に本当に申し訳ないと思っている。

 重傷を負わせた湯浅洋さんは真相解明のために活動されていると聞き、申し訳なく、頭が下がる思いです。

 友人や同級生から「また会いたい」と言われても、被害者の人間関係をぶち壊した自分が友人関係を再開することは許されないので遠慮したい。

 責任はすべて自分にある。もっと自分のことをきちんと見つめ、正しい方向に進んでいくべきだった。

 わたしがやったことに相応の刑が言い渡されるだろうと思う。残された時間で被害者、遺族の方に少しでも償いをしていきたい。

 (弁護側による主尋問が終了)

 【検察側反対尋問】

 (動機は「掲示板で嫌がらせをした人に事件を起こしたことをアピールする」ということか、と聞かれ)それだけといえば、それだけです。
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