社説

庄内空港の東京便 運航拡充へ総力を結集

 庄内空港発着の唯一の定期路線となっている東京線は、昨年1年間の搭乗者が8年ぶりに37万人台に乗った。堅調なビジネス利用を背景にして、中型機の大幅導入などで実績を一段と伸長させた。これを弾みとして運航拡充、空路の利便性向上に結び付けたい。

 2008年のリーマン・ショックで日本経済の景気後退が顕著になった時期を境に利用者は大きく落ち込んだ。開港以来、東京線の利用者が最も多かった07年は39万人台、08年は38万人台をキープしていたが、09年には33万人台へと大きくダウン。ここ数年は持ち直し基調で、34万~36万人台を推移していた。

 県庄内空港事務所の集計によると、昨年の利用者は37万9310人(前年比4.4%増)に上り、年間の平均搭乗率は67.1%(同1.4ポイント減)と高い水準を維持した。15年は166人か167人乗りの小型機での運航がメインだったが、昨年の夏ダイヤ(3月27日~10月29日)では270人乗りの中型機が最大3往復に導入された。

 夏ダイヤ期間中は中型機導入に伴って提供座席数が増えたが、月別の搭乗率の推移に堅調ぶりがうかがえる。5月と7、8月が60%台前半だったが、4月や6、9月には60%台後半に達し、10月には73.7%に及んだ。関西以西の旅行会社へのプロモーションや旅行需要を喚起するための個人への助成事業など一歩踏み込んだ取り組みも奏功した。

 庄内―羽田便の特徴はビジネス客の割合が高いことだ。国土交通省の13年度の航空旅客動態調査によると、平日のビジネス利用は76.6%を占める。山形の57.1%、秋田の67.3%など他の地方空港と羽田を結ぶ便と比較するとかなり高いことが分かる。ビジネス客の割合が高いと庄内発の最終便など特定の時間帯に利用が集中する。

 かねて利用者から「予約が取れない」という声が運航する航空会社や空港管理者の県などに寄せられていたが、利用実績の伸びや搭乗率の推移からすれば、中型機の導入によって、一定程度の緩和、改善につながったのではないだろうか。

 ビジネス利用が底堅い中で、今後の利用拡大に向けた伸びしろと期待されるのは観光需要であろう。羽田空港と結ぶ路線は国内外の航空ネットワークとつながる。新たな旅行需要を掘り起こし、インバウンド(海外からの旅行)の取り込みにも力を注いで、訪日客の流れを呼び込みたい。

 羽田空港の発着枠が満杯で5便化への道筋が見いだしづらい中、まずは中型機の運航を定着させ、より利用しやすい運航ダイヤへの改善を図り、利用実績のさらなる増加に結び付けていくことが求められよう。

 庄内地域の空の玄関口として四半世紀にわたる歴史を刻んだ庄内空港は高速交通の要として一段と重要性を増している。人口減少の流れが顕著な庄内地域にあって、東京線は交流人口を増大させ、活力を導く使命を担っている。利用実績年間40万人という大目標をも見据え、重要な交通基盤としての認識をしっかりと共有しながら、地域、官民を挙げて運航拡充へ総力を結集したい。

(2017/01/12付)
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