社説

1学級1新聞、読み方講座 新学期も継続し触れて

 山形新聞が提唱する「1学級1新聞」を県内で初めて導入した長井市の小中学校で、本紙記者による新聞の読み方講座が1月から2月まで開かれた。どこにどんな記事が載っているのか、短い時間でニュースを把握するコツは-などについて伝える授業を行った。いまは春休み中で教室に行く機会はないかもしれないが、何事も継続が大事。新学期には再びそれぞれの教室で新聞を手に取って、毎日少しずつ親しんでもらいたい。

 1学級1新聞は、各教室に新聞を届ける取り組み。地域の伝統行事や話題に触れることで本県の素晴らしさに気付いてほしい。新聞を読むことで学力アップにつなげてほしい。経済格差が教育格差を生まないよう平等に新聞に触れる環境をつくってほしい。そうした願いが込められている。

 最大の目的は地方創生だ。人口減少に悩む市町村にとって、若者の流出は重い課題となっている。郷土愛を育み、学力を高め、教育格差を解消する1学級1新聞によって、優秀な人材が地元に定着し地域をリードする。その姿はまさに地方創生そのものといえる。

 長井市では今年1月10日から1学級1新聞がスタートした。全6小学校5、6年生16クラスと、2中学校の全27クラス、計43クラスに本紙が配達された。

 山形新聞では、記者を派遣して新聞の読み方を伝授し、新聞に親しむ環境づくりをサポートしている。講座は1月17日の長井北中を皮切りに、2月27日の長井南中まで計16回開催した。時間は計655分に上った。

 児童生徒は真剣な表情で聴いてくれた。「新聞はおじいちゃんと一緒に、たまにしか読まなかったけど、1人でも読めるようになりたい」「トップニュースは右上にあるとか、きょうの運勢も載っているとか学べて良かった」「記事の基本は大事なことを最初に書くことと知った」「世界のことから長井のことまで詳しく学びたい」「社会面やスポーツ面だけでなく、政治面も読んで、大きくなったら選挙の投票に生かしたい」

 内谷重治長井市長は「子供たちが教室でわいわいしながら新聞を読めるのは面白いと導入を決めた」と話す。さらに「新聞には政治や社会、地域の話題などさまざまなことが載っており、正しい情報を知ることができる。新聞を通して親と子、祖父母と子などで共通の話題ができ、家族のだんらんにもつながる」と語った。われわれ新聞を製作している側にとって大いに励みになる言葉だ。

 県内では長井市の取り組みをきっかけに、新聞を教育現場で活用する動きが広がりを見せている。県は2017年度から都道府県では初めて、小中学校での新聞購入費の半額を補助する新規事業を始める。県内市町村では既に実践している長井市を含め、31市町村が17年度から新聞活用を予定している。

 山形新聞は新年度以降も各学校の意向を踏まえた上で、読み方講座を通して教育現場での新聞活用を応援していく。また、児童生徒に新聞を手に取ってもらえるよう、これまで以上に分かりやすく、ためになる、間違いのない記事を書いていきたい。

(2017/03/27付)
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