ちょっとそこまで

良縁を求めて~天童

(2011/05/10掲載)

境内を歩く氏家住職を見つけて「握手してください」と駆け寄る若い女性
境内を歩く氏家住職を見つけて「握手してください」と駆け寄る若い女性
 結婚し、子育て中の友人が増えた。気付けば三十路(みそじ)は目前。開運スポットと同僚に勧められた縁結びの寺を思い出し、天童市の若松寺を訪ねた。良縁を結ぶと評判の“握手”が狙いだ。

 若松観音は古くから縁結びに力があるとされる。若松寺では冬季を除き、縁むすび祈願祭を月1回行っている。昨年は恋愛に悩む全国の乙女ら1600人超が参加した。

住職と握手、幸せの予感

 「良縁の握手」を始めたのは5年ほど前。観音菩薩(ぼさつ)を呼び寄せた氏家栄脩住職(73)と握手し、縁を良い方向に動かす儀式だ。これまで約2千人が体験し、良縁を引くパワーを得たという。

 縁結びと聞いて心躍る年頃に違いないと見当を付け、年齢が近いY先輩を誘った。あいにくの小雨模様だったが、女性グループや子どもを連れた若い夫婦など、参拝者は途切れない。本坊に入ると、70代とは思えないほどつやのある氏家住職が迎えてくれた。

氏家栄脩住職(左)に「良縁の握手」をしてもらう記者
氏家栄脩住職(左)に「良縁の握手」をしてもらう記者
 「良縁の握手」に向け、名前や年齢、職業、恋人の有無を伝えた。氏家住職は「良縁とは幸せな結婚。縁は全ての人にある」と強調し、優しく時に面白く「縁」について説いた。「触れることで相手の縁の状態を感じる。悪いときは悪いって言うからね。『良縁の握手』はその人が持っている本来の縁を刺激し、潜在的な良縁を引き出してくれるんだよ」。握手は民俗学的に言えば「生きたお守り」なのだそうだ。

 儀式は秘仏が眠る観音堂を向いて始まった。香で体を清めた後、腕を交差するようにして握手。氏家住職は真剣な表情で経を唱え、恋愛成就を祈願してくれた。

 「あの、縁の状態は?」-ドキドキしながら尋ねると、頬を緩めた氏家住職が「ずっと握っていたいくらい良い気を感じる。6カ月以内にプロポーズされてもおかしくない」と断言。急にプロポーズと言われても実感はわかないが、感激と安堵(あんど)が一気に胸に広がった。昨年の実績では、握手後1週間以内に出会ったカップル3組が結婚したという。勝手な妄想はどんどん膨らんでいく。

アラサー2人、未来開けた!?

 縁結び祈願は8~9割が女性。しかも「良縁の握手」希望者はアラサー(20代後半から30代前半)が大半という。Y先輩も独身、20代後半。便乗して握手を依頼した。「うん、あなたもいいねえ。合格!」と太鼓判を押され、Y先輩もにんまり。2人とも近く良縁に当たるようだ。未来が開けたうれしさに加え、住職の笑顔と軽快なトークに心が満たされた。

 会社に戻り「早い人は1週間で出会う」と意気揚々と首尾を語った。先輩たちは「6カ月後が楽しみだな」と早速カレンダーに印を書き込んだ。そう言われると妙に気がはやる。良縁の予感はきょうかもしれない。

(報道部・江袋和貴子)

【メモ】若松観音鈴立山若松寺(わかまつかんのんれいりゅうざんじゃくしょうじ) 天童市山元にある、最上三十三観音の第1番札所霊場。708(和銅元)年に行基菩薩(ぼさつ)が開山、木に彫刻した聖観世音菩薩像を秘仏とし、封印した。秘仏はこれまで一度も開帳されたことがない。縁結びの寺として知られ、年間を通じて、全国から若い女性を中心に集う。「縁むすび祈願祭」を4~12月の第1日曜日に行っており、祈願料は1000円。住職との「良縁の握手」は予約が必要。同寺023(653)4138。
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