ちょっとそこまで

ドラマチック戎市を歩く~米沢

(2011/06/21掲載)

まちづくりプロジェクトZ隊が運営

国道287号を通行止めにして開催されるドラマチック戎市。食事や雑貨などを売るテントが立ち並ぶ=米沢市
国道287号を通行止めにして開催されるドラマチック戎市。食事や雑貨などを売るテントが立ち並ぶ=米沢市
 歩行者天国となった国道287号にカラフルなテントが立ち並ぶ。訪れた人々が食べ歩きや買い物を楽しんでいる。米沢市中心部の粡町(あらまち)通り商店会を中心に開催される定期市「ドラマチック戎(えびす)市」。2004年に始まり、延べ人数で毎回約1万5千人が訪れるという。市民に親しまれ続けているイベントの魅力は何だろう。12日に開かれた33回目の戎市を歩いた。

 戎市を運営するのは「まちづくりプロジェクトZ隊」(隊長・加地浩昭さん)。にぎわいづくりのため同商店会の若手が立ち上げた。郊外化などで商店街の客足は減少。「後がない」という思いを「Z」の一文字に込めた。

 会場は同市中央5丁目の西宮戎神社前を交点とする丁字路計約0・5キロ区間。午前10時から午後4時にかけて通行止めになる。今回は約70のテントが通りに並んだ。同神社を起点に南に進むと高校生が人を呼び込んでいる。米沢商業高の「米商(よねしょ)っぷ」。地元の食材を使った菓子を売っている。イナゴとゴマ入りのクッキーなどちょっと変わった商品の特徴を慣れた様子で説明している。

 「人と接してものを売っていると言葉遣いや積極性が自然に身に付くんです」と店長の遠藤あゆみさん(18)=3年。生徒たちにとって社会体験の場になっているようだ。

アマチュアプロレス団体の白熱した試合に、大人も子どももくぎ付けになった
アマチュアプロレス団体の白熱した試合に、大人も子どももくぎ付けになった
 米商っぷの向かいから子どもの歓声が聞こえる。山形大ジャグリングサークルがパフォーマンス中だ。箱やナイフを使った妙技に拍手が湧き起こる。「お客さんの反応が近くから届くので楽しい」と工学部代表の小林拓磨さん(20)。ホコ天は出演者と観客の距離を縮める。

 神社西側にある店舗駐車場では福島市に拠点を置くSEDアマチュアプロレス(佐藤勝也代表)の試合が繰り広げられていた。コーナートップからのドロップキック。倒れた相手をロープに投げつけ、返ってきたところに柔術風の絞め技をきめる。商店街とプロレス。ミスマッチのようだが盛り上がる。

にぎわい共につくる

 「震災や原発事故で福島は大変な状況。自分にできることで東北を盛り上げたい」と佐藤代表。この日は福島県南相馬市の「奥州相馬馬鬣(ばりょう)太鼓協友会」も出演し、古里の民謡を披露。SEDとの縁で出店したという宮城県の団体もあった。戎市は地域の枠を超えた交流の場にもなっているようだ。

 音楽で盛り上げるアマチュアバンドや、演奏に合わせて踊る市民。山形おきたま愛の武将隊が練り歩き、上郷エイサーが太鼓を打ち鳴らす。市民のパフォーマンスが人を呼び込む。「売り上げを伸ばすための定期市だったが、今となっては市民の表現、交流の場になっていることがうれしい」と加地さん。商店街だけでにぎわいはつくれない。市民と商店街が共につくるにぎわいが戎市の魅力なのかもしれない。

(米沢支社・三浦光晴)

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