ちょっとそこまで

豊かな自然に触れる~遊佐

(2011/07/19掲載)

体験型イベントに参加

 「県内で夏に住みたい所はどこだ」と聞かれたら、遊佐町と答えるだろう。実際にそんな質問を受けたことはないが、それぐらい好きだ。人が多すぎない海水浴場は最高だし、嫌なことがあった時、海に沈む夏の夕日に何度勇気づけられたことか。さらに鳥海山、湧き水、イワガキ。良いところを挙げたらきりがない。酒田に赴任していたころは担当記者として通ったが、日々の仕事に追われて満喫できなかった。担当を離れて4カ月。遊佐の自然を楽しめる教室が開催されると聞き、参加させてもらった。豊かな自然の一端をここで紹介しよう。

釜磯海水浴場。鳥海山の湧き水が出る場所として知られる。景色も抜群=遊佐町吹浦
釜磯海水浴場。鳥海山の湧き水が出る場所として知られる。景色も抜群=遊佐町吹浦
 お邪魔したのは、しらい自然館が開いた「おもしろ自然塾」。吹浦地区にある自然の魅力に触れる体験型のイベントで、内陸部の家族連れを含め約20人が参加した。いずれも鳥海山里山ガイドの畠中昭二さん(65)=吹浦、石垣富増さん(63)=同=の2人がナビゲーターだ。

 最初に訪れたのは釜磯海水浴場。砂浜から鳥海山の湧き水が出る不思議な海岸だ。畠中さんいわく「年間を通して10度前後」。触れるとひんやりして気持ちいい。磯場近くの水は飲むことも可能だ。この日は朝からうだるような暑さ。実際に飲んでみて、暑い日はビールか麦茶か湧き水に限ると思った。

 次はやや南の十六羅漢岩に足を運ぶ。日本海で命を落とした漁師の供養を願い、岩に仏像が掘られた場所だ。しばし見入り、雑念の多い心を落ち着ける。やはり嫌なことを忘れるため、何度かここで海風に当たったことがある。

 続いて訪れたのは牛渡川と丸池様。牛渡川は毎分24トンもの湧き水が湧き出し、手が届く川底には縄文時代の土器のかけらがあると教えてもらう。白い小さな花を咲かせた水草のバイカモ(梅花藻)は目に優しかった。

 すぐ隣にあり、映画「十三人の刺客」の撮影が行われた丸池様ではカメラが置かれた位置を聞く。エメラルドグリーンの水面(みなも)は相変わらず美しい。「最近はパワースポットとして女性にも人気ですよ」と石垣さん。

見て味わって満喫

丸池様。エメラルドグリーンの水面が美しい=遊佐町吹浦
丸池様。エメラルドグリーンの水面が美しい=遊佐町吹浦
 最後は吹浦漁港でイワガキの殻むきを体験させてもらう。漁は最盛期を迎えており、港には地元漁師たちが採ってきたばかりのイワガキが多数並ぶ。

 特殊な刃物で少しずつ殻を開けていく。殻をしっかり固定するのがこつらしい。次は刃物で貝柱を切り取る。最初はずいぶん時間がかかったが、慣れてくると切り取る瞬間が気持ちいい。試食もさせてもらう。鮮度が良いだけに味、食感、クリーミーさは抜群だ。「海のミルク」の異名はだてじゃない。

 冒頭にも書いた通り、ここで紹介したのは遊佐の魅力のほんの一部だ。そして夏本番のこれからが、豊かな自然を最も楽しめる季節だろう。「遊佐の自然を愛して、喜んで帰ってもらえたらうれしい」。畠中さんの言葉がすごく印象的だった。

(報道部・斎藤秀)

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