ちょっとそこまで

天然落ちアユと川ガニを味わう~新庄

(2011/10/19掲載)

一丸会のやな場へ急行

 食欲の秋。山のもの、川のもの、豊富な食材が食卓に並ぶこの時期、特に食べたくなるものがある。新庄支社勤務時代に知人たちから教えてもらった最上の味覚、「天然落ちアユ」と「川ガニ」の料理だ。これを味わわずして山形の秋は語れない。

新田川のやな場に次々と落ちてきた良型のアユ。その数は短時間で100匹を超えた=新庄市本合海
新田川のやな場に次々と落ちてきた良型のアユ。その数は短時間で100匹を超えた=新庄市本合海
 新庄市内でやな漁をやっている知人に「今年も天然のアユとカニが食べたい」と連絡。数日後の早朝、「今、大量にアユが落ちてきてるぞ。早く来いっ」との電話で、すぐに車に飛び乗った。向かった先は同市本合海の新田川。気の合う仲間十数人でつくっている「一丸(いちまる)会」(関勉会長)が設置するやな場を目指した。

 小雨の中、現地に着くと見慣れたメンバーたちが網を片手に忙しそう。やなには体を光らせたアユが次から次へと流れ着き、パシャパシャと跳びはねている。しかも、25センチほどの良型ぞろい。メンバーたちの「どや顔」も理解できる。

 早速、記者も落ちアユを捕まえていると、40センチと35センチほどのナマズ2匹も流れ着いた。仲良く寄り添う様子に思わずほほえんでしまう。メンバーの高橋文男さんは「明け方にこれも落ちてきたんだ」と水中のコンテナをゴソゴソ。ニコニコしながら取り出したのは川ガニ(モクズガニ)。記者のお目当ての一つだ。「これ食いたかったんですよ」と触ろうとするが、カニは戦闘意欲むき出しのファイティングポーズ。「指1本でも触れたら許さないぜ」と言わんばかり。大きなはさみに毛が生えたさまは、毛皮シューズを履いた伝説のプロレスラー、ブルーザー・ブロディ並みの危険な雰囲気だ。

 数時間経ったあたりで100匹以上落ちてきたアユも一段落。メンバーの小屋に場所を移して早速、いただくことにした。手作りのいろりに炭火をおこし、捕まえたアユはそのまま竹串に刺して塩焼きに。カニはカニ汁と、甲羅みそ焼き。メンバーたちの慣れた手つきで手際よく準備が進む。

仲間と堪能、最上の味

落ちアユの塩焼き。塩が多めなのは愛きょうだが、余計に酒が進む
落ちアユの塩焼き。塩が多めなのは愛きょうだが、余計に酒が進む
 程なく、いろりの周りに並んだ30匹ほどのアユがジュワジュワっといい音をたて始めた。みそ仕立てのカニ汁も完成。ぶつ切りにしたカニと豆腐、ネギのいたってシンプルな具材だが、「カニの味を楽しむにはこれが一番」と伊藤誠之さん。カニの甲羅を外し、取り出したカニみそと市販のみそ、少々の砂糖をすり合わせて甲羅にのせ、そのまま焼いた甲羅みそ焼きは浅沼喜治郎さん特製。カニみその風味と香ばしさが何ともいえない絶品で酒が進む。食べ終わった甲羅に熱々の日本酒を注いで飲めば、これがまた「うまい!」。

 結束力の強さと、結成以来十数年、メンバー同士のもめ事が一度もないという仲の良さが自慢の「一丸会」。この日も、電話一本で12人が集まり、夜までワイワイとアユ・カニ談議。記者に最上の味覚を忘れられなくしているのは、食材の味もさることながら、こうした仲間がいるからなのかもしれない。

(報道部・長岡伸明)

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