ちょっとそこまで

「えと」の引き継ぎ散歩~南陽

(2011/12/21掲載)

愛犬タロ(仮名)と一緒に

 ことしの漢字が「絆」に決まったと朝刊が伝えた日、愛犬タロ(仮名・日本スピッツ)が「行きましょう!」とばかりに新聞紙の上で仁王立ちした。「ボツンヌーテン(南極大陸)なら登る気ないよ」と返事すると「年末と言えば、えとの引き継ぎ。卯(う)から辰(たつ)へ南陽市内でボクが橋渡しします」。そうして辰年生まれの1人と1匹の長距離散歩は始まった。

どこかに「三羽のうさぎ」が隠し彫りされている=南陽市宮内・熊野大社
どこかに「三羽のうさぎ」が隠し彫りされている=南陽市宮内・熊野大社
 振り出しは日本三熊野の一つ、宮内の熊野大社。本殿裏側に「三羽のうさぎ」が隠し彫りされていて、全て見つけると願いごとがかなうという話題のスポットだ。記者はいまだウサギを見つけられないが、この日の目的は別。300円で願い文の用紙を受け取り「2012年は災害のないおだやかな年になりますように」と書き込み「三羽のうさぎ」の前の箱に納めた。

 東日本大震災に見舞われ暗い話題の多かった1年。熊野大社には被災・避難された方々を含め大勢の人が参拝に訪れたという。満月の夜の良縁祈願祭「月結び」も始まった。辰年になっても3羽のウサギは忙しい日々が続くに違いない。

 タロに引っ張られるように商店街を歩き、立ち寄ったのが「うさぎ駅長もっちぃ」でブレークしたフラワー長井線宮内駅。マスコミ取材が殺到し、縫いぐるみなどのグッズ販売も好調。写真集まで出版された。震災後にちょっと体調を崩したと聞き心配していたが、今は元気いっぱい。「ご苦労さま。12年も元気で」と、ウサギの餌をプレゼントした。

 「この後は?」とタロに聞くと、最終目的地は白竜湖らしい。市史民俗編には「置賜が干ばつに見舞われた昔、旅の僧が天に向かって経文を唱えると、雨が降り、湖から白竜が巻物をくわえて昇天した」という逸話が掲載されている。

 内原橋を過ぎた頃からルートは登りに。大丈夫か…との心配は的中、ハイジアパーク南陽を前にしてタロの足は止まり、「置き去りにしないで」と情けない表情で記者を見上げた。

元気な1年、竜神に願う

通称ハイジアフルーツラインからの素晴らしい眺望。「見えたぞ白竜湖。あとひと息」
通称ハイジアフルーツラインからの素晴らしい眺望。「見えたぞ白竜湖。あとひと息」
 そこで登場したのが、タロとの登山用に“開発”した背負子(しょいこ)。国道13号方面へと抜ける通称ハイジアフルーツラインを背負って登る。辛抱強く足を進めると、高台で一気に視界が開け、眼下に白竜湖が輝いて見えた。

 坂を下り白竜湖にたどりついたのは熊野大社をスタートし約4時間後。スマートフォン(多機能携帯電話)の歩数計アプリは1万1680歩、9・13キロを表示していた。「新年は昇り竜のように元気な1年になりますように」と竜神に祈願。心地よい疲労を感じながら並んで湖面を眺めていたが、「戌(いぬ)年には犬の宮(高畠町)まで歩きましょうね」と、タロの声を聞いた気がした。

(南陽支社・大隅茂樹)

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