ちょっとそこまで

「猫の宮」で愛猫を供養~高畠

(2012/01/11掲載)

壁埋める猫たちの写真

猫の宮の壁には参拝者によって猫の写真が所狭しと貼られている=高畠町高安
猫の宮の壁には参拝者によって猫の写真が所狭しと貼られている=高畠町高安
 昨年、実家の飼い猫が死んだ。仕事机に飾った「遺影」を眺めては、ひっそりと涙する記者に、先輩記者Jは言った。「そんなに猫が好きなら、高畠町の猫の宮に行けば。本当に猫がいるよ」。猫好きには聞き捨てならないせりふだ。そうだ、りんご(猫の名前)の供養をしてあげよう。ついでに猫と戯れたい。帰省中の兄を連れて高畠へと向かった。

 猫の宮は同町高安地区にある。すぐ近くに犬の宮も鎮座しており、犬の宮と猫の宮が対座するのは全国唯一という。ひっそりとたたずむ猫の宮を訪れると、まず目に入るのが、参拝者が壁に張っていった愛猫の写真の数々。一枚一枚に「長い間ありがとう」といった愛情深いメッセージがあり、同じ猫好きとして胸が熱くなる。

 記者も「ベスト・オブ・りんご」的お気に入りの1枚を張らせてもらう。そして、「やっぱりりんごが一番かわいいね」とうなずき合う“猫ばか”きょうだい。さい銭を上げて、「天国で楽しく過ごしてね」と手を合わせた。

雪の上に肉球の跡が…

猫の宮のほこらに積もった雪には猫の足跡が残されていたが、猫にお目にかかることはできなかった
猫の宮のほこらに積もった雪には猫の足跡が残されていたが、猫にお目にかかることはできなかった
 参拝が済んだところで、もう一つの目的である猫探しをスタートする。が、その姿はなく、雪の上に肉球の足跡が残るのみ。肩を落として犬の宮に向かう。石段の雪かきをしていた近所の男性に「猫の宮に猫はいませんか」と尋ねると、「ひと昔は捨て猫も多かったけど、最近は少なくなったよ」とのこと。捨て猫が減っていることにはほっとする一方、かじかんだ手は猫のぬくもりを求めている。あきらめきれず、寄り道していくことにした。

 訪れたのは同町の昭和縁結び通り。レトロな雰囲気の商店街を歩くと、確かに猫はいた。ただし、石の。その名も「タマちゃん」といい、ほほえみのタマちゃん、出会いのタマちゃんなど8体の石像が通り沿いに点在している。一つ一つに教え(?)のような文言が添えられていて面白い。

 足を休めようと立ち寄った高砂屋珈琲店では、店主で商店街の広告塔、高橋正人さん(59)と出会う。今年は犬の宮・猫の宮にちなんだイベントもさまざま計画中という。街づくりにかける情熱に触れてかじかんだ手も温まったところで、猫探しはほぼあきらめモードに突入。せめて、「猫っぽい」ものを…とふるかわ酒店(古川和夫店主)で、ラベルに犬と猫が描かれた商店街のオリジナルワインをゲットし、帰途に就く。

 帰りの車中では、兄と2人でりんごとの思い出話に花を咲かせる。なんだかんだ話していると、「りんごはかわいかった」のひと言に行き着く。猫との戯れはかなわなかったが、天国のりんごはこんな主人のことを温かく見守ってくれているはず、と思っている。

(鶴岡支社・八木みどり)

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