ちょっとそこまで

夢の犬ぞり体験~最上

(2012/02/08掲載)

「大場満郎冒険学校」に“入門”

サラとジャイアンはすぐ仲良しになってくれた
サラとジャイアンはすぐ仲良しになってくれた
 「犬ぞりに乗ってみたい」。南極越冬隊員と犬たちの絆を描いたテレビドラマを見て、子どものころ胸を熱くした映画、タロとジロの物語を思い出し、当時の夢もよみがえった。最上町在住の冒険家大場満郎さん(59)の「アースアカデミー大場満郎冒険学校」で犬ぞりの体験プログラムがあると知り、連絡を取った。「11頭いた犬のほとんどが寿命を迎え、そりを引けるのは数頭しかいないんですよ」と大場さん。「一人なら」ということで引き受けてもらった。

 雪原広がる前森高原。大場さんが笑顔で迎えてくれた。早速、犬たちにあいさつに行く。2002年にグリーンランドのイヌイットの青年2人を冒険学校に招いた時、連れてきたグリーンランドハスキー犬の子どもたちだ。リーダーの「サラ」は貴婦人のような落ち着き。体の大きな「ジャイアン」は人懐っこい。すぐ仲良くなってくれた。

 大場さんに手ほどきを受ける。犬ぞりはイヌイットの青年たちが製作し、日本仕様に補強されているが、本来は木とロープだけで組み上げられるという。足元にはブレーキもある。「犬たちは掛け声のトーンで判断する。『止まれ』は『オー』、『だめ』は『ノー』。低いトーンで」。ハーネスの付け方を教わり、ジャイアンに付けてみた。おとなしい。めんごい。

疾走感がたまらない

力強く犬ぞりを引くサラとジャイアン。顔に当たる雪が痛いが、抜群の疾走感=最上町・前森高原
力強く犬ぞりを引くサラとジャイアン。顔に当たる雪が痛いが、抜群の疾走感=最上町・前森高原
 2頭のハーネスとそりのロープをつなぎ、「さあ、行ってみましょう」と大場さん。勇んでそりにまたがり、声を掛けると一斉に走りだした。予想以上に引く力が強い。名前を呼んで励ますと、ちらりとこちらを見たサラの表情は「分かってますよ」。10歳の老犬なのに、しっかりした足運びに驚く。ちらつく雪が顔に当たって冷たいが、疾走感がたまらない。緩やかな下り坂を一気に駆け抜けた。

 冒険学校へ戻ろうと、四苦八苦しながらそりをUターン。再び走りだしたが、遅い。かなり、遅い。自己新記録を更新中の体重のせいか。ジャイアンが苦情を言いたげな視線を送ってくる。申し訳なくて、雪面を片足で蹴ってアシストした。ゴールで迎えた大場さんは「よし、3頭にしてみよう」。少し気弱な「チビ」を連れてきてくれた。下りはスピードアップ。問題の上りも力強かった。

 「犬の状態をよく見て、走りだすタイミングに合わせてやる。リーダー犬との信頼関係が大切なんだ」と大場さん。犬たちを褒めてやると身をすり寄せてくる。触れ合いで心も体も温かくなった。冒険学校ではスノーモービルで大型そりを引く爽快な遊びや、スキーと大型のたこを装着して風に乗って滑るセーリングなども楽しめる。体重を考えると、次はスノーモービルがいいかもしれない。

(新庄支社・石井 剛)

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