ちょっとそこまで

電気自動車の実力を試す~山形

(2012/02/15掲載)

県管財課の協力得て山形道など走行

 県庁と県議事堂を結ぶ渡り廊下から、県庁正面玄関西側に設置された電気自動車の急速充電器が見える。2010年12月の開設で、当時は同僚と「果たして使う県民がいるのだろうか」などと話していたのだが、最近は愛車に充電する県民の姿をよく目にするようになった。

雪深い西蔵王を走る電気自動車=山形市上桜田
雪深い西蔵王を走る電気自動車=山形市上桜田
 今から半世紀前の1963年、ボブ・ディランが歌った。「時代は変わる」=正式邦題は「時代は変る」。東日本大震災が21世紀のエネルギー事情、車社会に変化をもたらしたということなのか。

 「1回の充電で、どれぐらい走るのだろう」「乗り心地はどうなのか」といった疑問が湧いてきた。県の公用車、共用車を管理する管財課は、渡り廊下のすぐ東隣。取材の趣旨を説明し、試乗させてもらうことになった。

 県内は今シーズン、歴史的な大雪に見舞われている。悪天候下の試乗体験になるのではと憂えていたが、取材の日は寒気が緩み、絶好のドライブ日和。それでも一般道は除雪の影響で車道幅が狭く、路面は波打っている。十分に車の能力を引き出すため、山形自動車道に向かうことになった。

 県が所有する電気自動車は三菱の「アイ・ミーブ」。導入から2年以上が経過し、庁内では「小回りが利く」「静かで加速がいい」との評価が定着しているという。職員が使用した後、管財課は料金の安い深夜電力を活用して充電しており、朝にはフルチャージされた状態に戻る。

 この日は午前中に雇用対策課の職員が山形市内を15キロ走行しており、午後に試乗を始める段階で駆動用バッテリー残量計が3分の1ほど減っていた。

驚く静かさ、加速の良さ

 管財課の行政技能員古瀬豊さん(49)が同行してくれることになった。助手席に乗り「急速充電してから出発しましょう。それでは、エンジンを起動してみてください」と告げると、「電気自動車なので、エンジンはないんです。それに、もうスイッチは入っています」と真顔で返答する古瀬さん。驚くほどの静粛性。まるで優しく大きな力で後ろから押されるように、車はすうっと駐車場を出た。

山形自動車道で電気自動車のハンドルを握る記者。加速の良さに驚いた=山形蔵王IC―山形北IC間
山形自動車道で電気自動車のハンドルを握る記者。加速の良さに驚いた=山形蔵王IC―山形北IC間
 急速充電には26分を要した。200ボルトコンセントからの充電とは違い、急速の場合は80%までが限界といい、表示された航続可能距離は「46キロ」。高速道路で寒河江まで行くプランを温めていたのだが、古瀬さんから「帰り道で止まってしまいます」と却下された。

 プラン縮小。記者の運転で山形蔵王インターチェンジ(IC)から山形道に入り、山形北ICまで行くことになった。本線に合流しアクセルを踏み込むと、加速の良さにまた驚く。小気味がいい反応。軽自動車規格だが、ストレスを感じない。まるで高速で氷上を滑っているような感覚だ。

 晴れ間が広がったこの日の空のように、気分は爽快。山形北ICから国道13号に降り、西蔵王方面まで走行を続けさせてもらった。

 県庁に戻ると、バッテリーの残量は約3分の1に。試乗した距離は23キロだったが、高速走行で余計に電気を消費したのか、航続可能距離は17キロまで減少していた。やはり寒河江往復は無理だったか。

 山形三菱自動車販売によると、フル充電した場合、同車の航続可能距離は最大で160キロだが、空調を使用することが多い夏と冬は数値が低下するという。

 県庁の急速充電器で、天童市柏木町3丁目、マンション経営渡部寿夫さん(76)が昨年秋に購入したという日産「リーフ」に充電していた。これから蔵王に出掛けるという。渡部さんは「山道でも難なく上る。加速がスムーズだから、この年になっても運転していて疲れない」と豪快に笑った。環境だけではなく、高齢者にも優しいのが電気自動車だった。

(報道部・古頭哲)

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