ちょっとそこまで

井上ひさしさんの故郷、ぶらり歩く~川西

(2012/03/21掲載)

置賜農高卒業生らと一緒

図書館内にそびえ立つ本の樹。全国から寄せられた本の数々が並ぶ
図書館内にそびえ立つ本の樹。全国から寄せられた本の数々が並ぶ
 「土地を知れ、人を知れ、歴史を知れ」。先日、ある方の送別会に参加した際に、その方が大切にしているモットーとして紹介した言葉だ。県内各地に異動する宿命にある記者にも通じる部分が多く、ひそかに感銘を受けた。米沢市と川西町を担当する米沢支社に赴任して1年。このタイミングであらためて、川西町の土地・人・歴史を学んでみようと考えた。

 “川西町と聞いて連想する人”のお題で真っ先に思い浮かぶのは、町出身の劇作家・井上ひさしさん。井上さんを通じて川西を知るには-。先輩の助言で、打ってつけのものが思い当たる。日ごろから取材でお世話になっている「置賜農業高えき・まち活性化プロジェクトチーム」が2010年に考案した「井上ひさしの故郷を歩く-卵下駄(たまげた)!かわにしまちなかめぐり」だ。これは井上さんの小説「下駄(げた)の上の卵」に登場する町内の名所・旧跡を巡るツアーで、同年の観光甲子園でグランプリに輝いている。「一人では寂しい…」との思いから、同行者を誰かに頼めないか同校の江本一男教諭に相談したところ、チームの卒業生らを紹介してくれた。

 当日は青空にも恵まれ、絶好のまち歩き日和。待ち合わせ場所のJR羽前小松駅に到着すると、同行を引き受けてくれた斎藤あやかさん(18)と渡部夏希沙(なぎさ)さん(18)、同駅を管理・運営する「えき・まちネットこまつ」の職員である渡部文昭さん(30)が待っていてくれた。行程について簡単に打ち合わせた後、早速外に出ると、「第1問」と斎藤さん。なんと、ツアーに関連したクイズを用意してくれていた。クイズは全部で10問あり、記者はその都度、無い頭を振り絞ったが、自力で正解したのは「ドンキホーテ」「羽黒山」「山田錦」の三つだけだった。もっと勉強せねばと猛省。

土地、人、歴史、より深く

銘菓の錦屋前をぶらり歩く。風情ある建物と赤いポストがいい雰囲気
銘菓の錦屋前をぶらり歩く。風情ある建物と赤いポストがいい雰囲気
 最初に訪問したフレンドリープラザでは、井上さんから寄贈された蔵書が収められた遅筆堂文庫や図書館内にそびえ立つ円柱本棚「本の樹(き)」を見学。その後も、井上さんの育った家が建っていた喫茶店前や小松小、銘菓の錦屋、樽平酒造、ひょうたん島資料館と巡っていった。同行者の方々がその場所その場所にまつわるエピソードを紹介してくれたことで、川西町の土地・人・歴史をより深く知ることができた。

 普段は時間に追われ、車での移動がほとんどになっている記者。魅力ある場所をいかに見逃してしまっていたかを、今回のまち歩きで認識した。たまには自分の足でゆっくり歩き、今後も川西の魅力を探っていきたい。

(米沢支社・伊豆田拓)

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