2011年山形県内十大ニュース

 山形新聞が選ぶ2011年の県内十大ニュースは、東北各地に未曽有の被害をもたらした東日本大震災が断然のトップ。直後のガソリン・食料品不足、全国最多の避難者、県民挙げての節電などを含め震災関連が5項目ランクインした。8市町村長選で現職が強みを見せる一方、大石田町長が逮捕され辞職した。サッカーのモンテディオ山形は期待かなわずJ2降格。本県出身の予備校生が逮捕された入試問題ネット投稿事件は、全国に大きなインパクトを与えた。

震災発生、全域で停電 4・7に最大余震

避難所となった山形市の桜田小体育館でストーブを囲む市民=3月11日
避難所となった山形市の桜田小体育館でストーブを囲む市民=3月11日
 3月11日午後2時46分、三陸沖を震源とするM9.0の東日本大震災が発生。本県では米沢、上山、尾花沢、中山で震度5強を記録した。県内のほぼ全域で停電になったほかJR各線や高速道路がストップ、建物の損壊も相次いだ。4月7日の最大余震(M7.1)でも村山、最上の10市町村で震度5弱を記録し、再び停電。2度の地震により死者は2人を数えた。

ガソリン、食料品不足で生活混乱

震災翌日からスーパーの陳列棚は空っぽ。品薄状態はしばらく続いた=3月12日、鶴岡市
震災翌日からスーパーの陳列棚は空っぽ。品薄状態はしばらく続いた=3月12日、鶴岡市
 東日本大震災により物流がストップしたことで、県内でもガソリンや食料品、生活必需品などの不足が深刻化、1カ月近くにわたり県民生活が混乱した。

 スーパーなどの棚からは食料品や水、乾電池など多くの商品が姿を消し、ガソリンスタンドでは数量限定で販売されるガソリンや灯油を求め、連日、長蛇の列ができた。給油待ちの車に絡んだ追突事故や火災、一酸化炭素中毒などの事故も発生した。

交通インフラ整備へ前進−日沿道、酒田港

秋田、新潟両県境付近のミッシングリンク(途切れた区間)の解消に向け、前進した日本海沿岸東北自動車道=9月、鶴岡市・鶴岡ジャンクション付近
秋田、新潟両県境付近のミッシングリンク(途切れた区間)の解消に向け、前進した日本海沿岸東北自動車道=9月、鶴岡市・鶴岡ジャンクション付近
 国土交通省は東日本大震災の復興に関連し、日本海沿岸東北自動車道(日沿道)の秋田、新潟の両県境区間を開通まで全7段階ある工程のうちステップ3となる計画段階評価に格上げした。早期の全線開通に向け大きく前進。事業着手後、10年以内の完成を目指すとしている。

 また同省は中国やロシアなど北東アジア貿易の核となる「日本海側拠点港」のリサイクル分野に酒田港を選定した。

避難者続々、広がる支援の輪

福島県からの避難者でつくる合唱サークルの子どもたちが米沢上杉まつりで古里への思いを歌った=9月、米沢市
福島県からの避難者でつくる合唱サークルの子どもたちが米沢上杉まつりで古里への思いを歌った=9月、米沢市
 東京電力福島第1原発の事故直後から、福島県などからの避難者が県内に詰め掛けた。人数は日々増え、避難所を運営する市町村は対応に追われた。増え続ける避難者に対し、市民やNPO法人らによる支援の輪が広がった。交流会開催だけでなく、情報紙発行、サークル設立といった動きも。いまだ放射線への不安が消えない中、避難者は12月15日現在、1万3711人に上る。

大石田町長を受託収賄容疑で逮捕

自宅から任意同行に応じ、捜査車両に乗り込む阿部孝義大石田町長=9月25日、大石田町田沢
自宅から任意同行に応じ、捜査車両に乗り込む阿部孝義大石田町長=9月25日、大石田町田沢
 大石田町発注工事をめぐり、業者に便宜を図った見返りに現金100万円を受け取ったとして、阿部孝義町長(75)が9月25日、受託収賄容疑で逮捕された。県内の首長逮捕は6年ぶり。

 町長の入札権限を悪用し、地元有力業者を指名から外した。町長選で自分を支持しなかった報復が込められていた。公判では起訴内容を認め、12月28日に懲役1年6月、執行猶予3年の判決を受けた。

モンテディオ山形がJ2降格

J2降格が決定し、試合後肩を落とすモンテディオ山形イレブン=11月3日の第31節神戸戦、神戸市
J2降格が決定し、試合後肩を落とすモンテディオ山形イレブン=11月3日の第31節神戸戦、神戸市
 サッカーのモンテディオ山形が、2008年のJ1初昇格以降、3シーズン目でのJ2降格が決まった。開幕から不安定な戦いぶりが続き、連勝は1度もなし。11月3日の第31節神戸戦(0−2)で敗れ降格が決定した。最終成績は5勝6分け23敗、勝ち点21で順位は最下位の18位だった。昇格時からチームを率いていた小林伸二監督は、契約満了に伴い退任。チームは一つのサイクルを終えた。

8市町村長選で現職当選。統一選イヤー

ハンドマイクの使用を自粛し、メガホンで支持を呼び掛けるスタッフ=4月、川西町
ハンドマイクの使用を自粛し、メガホンで支持を呼び掛けるスタッフ=4月、川西町
 東日本大震災の発生から間もない4月、統一地方選が行われた。皮切りとなる県議選は1日告示で、立候補を届け出たのは過去最少の54人。最多の11選挙区で無投票当選が決まった。14市町村議選のうち河北町議選は初の無投票となった。震災直後の県民感情に配慮し、選挙カー使用や連呼を自粛する陣営もあった。

 2011年は任期満了に伴う8市町村長選があり、いずれも現職が当選した。

東北芸工大の法人統合構想、一転断念

学校法人の統合問題で会談する(右から)市川昭男山形市長、吉村美栄子知事、東北芸術工科大の古沢茂堂副理事長=12月22日、県庁
学校法人の統合問題で会談する(右から)市川昭男山形市長、吉村美栄子知事、東北芸術工科大の古沢茂堂副理事長=12月22日、県庁
 東北芸術工科大(山形市)は、京都造形芸術大(京都市)との間で、それぞれを運営する学校法人の来春統合を目指したが、設置者である県と山形市の同意を得られず、断念した。

 東北芸工大が統合協議入りを発表したのは6月。その後、県議会、山形市議会での議論などを踏まえ、12月22日、吉村美栄子知事と市川昭男山形市長が来春統合に同意できないとの考えを伝えた。

雪害相次ぐ−国道112号で雪崩、JR連日まひ

大量の雪が壁のように国道112号を埋めた雪崩の現場=2月、西川町月山沢
大量の雪が壁のように国道112号を埋めた雪崩の現場=2月、西川町月山沢
 1月の低温で例年より積雪量が増加、雪害が県民の生活を直撃した。県は5年ぶりに豪雪対策連絡会議を設置。昨冬は死亡16人を含む225人が死傷し、死者数は過去10年間で最多を数えた。

 JRは日本海側を走る羽越本線を中心に連日まひ。2月末には西川町の国道112号(月山道路)で大規模な雪崩が発生し、内陸と庄内を結ぶ大動脈が1週間にわたり寸断された。

10節電県民運動を展開

エアコンを止め、扇風機や窓の開放で使用電力削減を目指した事業所=7月、山形市
エアコンを止め、扇風機や窓の開放で使用電力削減を目指した事業所=7月、山形市
 東日本大震災の津波被害による火力発電所の損壊、原子力発電所の停止で、今夏は全国的に深刻な電力不足に陥った。

 県は7〜9月、山形方式節電県民運動を展開し、一家だんらんや地域活動への参加などをアピール。当初は周知不足が指摘されたが、東北電力管内(東北6県と新潟県)で本県の電力削減率はトップ(被災3県を除く)を記録し、真面目な県民性を実証した。

次点入試ネット投稿事件

 京都大の入試問題をインターネット質問サイトに投稿したとして、本県出身の男子予備校生=当時(19)=が3月3日、偽計業務妨害容疑で京都府警に逮捕された。山形家裁は7月、少年審判で予備校生を不処分とした。カンニング行為を犯罪と捉えることに疑問の声も。大学の監督体制の不備も指摘され、携帯電話やネットが普及する中、情報モラルの欠如などの問題を浮き彫りにした。
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     山形新聞は3・11東日本大震災を忘れずに、語り継ぐための「絵本」を作り、子どもたちに贈る「東北未来絵本」キャンペーンを展開しています。皆さんから寄せていただく言葉を集めて物語をつくります。そこに絵本としての命を吹き込むのは、山形出身の絵本作家・荒井良二さんです。荒井さんから2回の問い掛けが届きました。(1)「あのとき、みんなの手は、何をつかんでた?」(2)「あれからみんなの日常は何か変わったかなぁ?」。皆さんの「答え」をお待ちしています。こちらのページからも投稿可能です。
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