NIBフロントライン

ティスコ運輸社長
菅原茂秋氏
菅原茂秋氏
【インタビュー】
 -業界の現状は。

 「運送業界も他業界と同じく人手不足が深刻化し、それに伴い運送料も上がっている。全国的に市場が縮小して物流量が減り、大量輸送時代は終わった。多頻度、小ロット化が進んでいるため、当社は荷主や顧客に積載率を高め、輸送効率を上げる提案をしている」

 -新本社の大型物流センターが1月に稼働した。

 「県内に物流の要衝施設が少なく、多くの販売機会を失っている。センターはマルチテナント型(複数業者が参入)で、物流の集約拠点として集荷、配送だけではなく、輸出入、荷役、梱包(こんぽう)などのサービスをワンストップで提供し、コスト削減など顧客のメリットが大きい。稼働により本県の産業発展、雇用維持が実現すれば、人口減少に歯止めがかかり、地域振興に物流の側面から貢献できる」

 -人材確保の方策は。

 「長時間労働抑制、人材育成のため、労働環境整備を進めている。5年前に人事考課制度を見直し、一人一人の努力を評価する制度とし、賃金ベースも引き上げた。定期的に社員アンケートも実施して改善に役立てている。福利厚生面では新本社に地域の子どもも受け入れる事業所内託児所のほか、男女別のシャワー室・仮眠室、一般の人も利用可能な社員食堂を設けた。長時間労働になりがちな長距離輸送でも運転手を増員し、ワークライフバランスの充実を目指している」

 -求めている人材は。

 「常に問題意識を持ち、『これで良いのか』と問い掛ける力を持つ人材づくりが重要だ。自動運転、人工知能(AI)が進化すれば、われわれの仕事も変わる。当社の強みは変化に対応し、常に新たなものを創造できること。生産性を上げるには機械化が必須で、機械に負けないのは、変化に対応した上、問題意識を持って新たな改善策を提案できる人材だ。仕事の付加価値、人間としての存在意義はそこにある」

 -その力を身に付けるために必要なことは。

 「対話を繰り返すことで仕事に対する認識レベルが上がり、仲間同士で価値観を共有できる。当社は班別ミーティングを重視し、社員と情報共有するほか、フィードバックの場として改善につなげている。また、社員に物流技術管理士など資格取得を奨励している。この資格を取れば物流に関してある程度の提案力が身に付き、物流の川上から川下まで全体の最適化を顧客に提案できる。運行管理者資格取得も促している」

 -影響を受けた人物は。

 「同じ県中小企業家同友会の会員で、鶴岡市と三川町に工場を持つ精密機器関連製造のニシカワ(埼玉県)の西川俊行社長だ。同友会の『経営指針をつくる会』に同期入会して共に学び、経営に対する熱い姿勢、常に人を大切にする考え方に接し、影響を受けた。経営とは何か、何のために経営するのか、を学んだ」

 ★菅原茂秋氏(すがはら・しげあき) 神奈川県湘南高卒。陸上自衛隊、自動車部品メーカーでの勤務を経て、2000年1月にティスコ運輸を設立し社長。県中小企業家同友会代表理事を務める。東根市出身。48歳。

 ★ティスコ運輸 主力の運送業のほか、倉庫業、産業廃棄物収集運搬業、特定人材派遣業や、本・古文書・図面などをデジタル化するデジタルアーカイブ事業を手掛ける。県内を中心に東北から関東を主な営業エリアとし、酒田市、仙台市、岩手県花巻市に営業所がある。大型、中型、2トンの各トラックなど車両約100台を保有する。資本金2400万円。従業員数は138人で、グループ会社4社を含めると約200人。今年1月に本社を山形市漆山大段1865の5に移し、敷地内に大型物流センターを併設している。

【私と新聞】他社の取り組み、参考に
 新聞について、菅原茂秋社長は「さまざまな価値観を紹介している。先行きを読む場合の情報ソースとしても欠かせない」と指摘する。忙しい中でも毎朝、新聞に目を通すという。

 仕事柄、経済面は必ず読み、特に運送や自動車の記事に目が留まる。新聞で読んだ他社の取り組みを自社に取り入れることもある。最近は自動運転技術に関する記事を読み、「運転手がトラックに乗らなくなれば、どう社員を雇用していくのか。対応を考える上でインパクトのある記事だった」と振り返る。

 山形新聞の利点は地域の細かい情報、イベントまで網羅している点と感じる。「地域や地域住民を応援する取り組みを考える際、参考にしている」と話した。

【週刊経済ワード】G20
 新興国を含む20カ国・地域の国際会議の枠組み。アジア通貨危機後の1999年に財務相・中央銀行総裁会議がスタート。2008年のリーマン・ショックをきっかけに首脳会合が始まった。19年は日本が議長国を務める。多様な国が集まるため、合意形成の難しさもある。参加するのは日米欧の先進7カ国(G7)とアルゼンチン、オーストラリア、ブラジル、中国、インド、インドネシア、韓国、メキシコ、ロシア、南アフリカ、サウジアラビア、トルコ、欧州連合(EU)。
文字サイズ変更
  • 小
  • 中
  • 大

県内8市発行メールマガジン登録無料

ふるさとだより

毎週木、金曜日配信中!

ニュース特集

スポーツ

教育・子育て

おでかけ

暮らし情報

twitter発信中

山形新聞からお知らせ

  1. 【2019年8大事業】
     山形新聞、山形放送の2019年の8大事業が決まりました。詳しくは、こちらから
  2. 【やましん公式FB】
     山形新聞社は、インターネット交流サイト「フェイスブック(FB)」の公式ページを新設しました。
     公式ページでは山形新聞のニュースのほか、本社からのお知らせなどを中心に紹介します。
     アドレスは、こちらから
  3. 【やましんe聞で動画視聴】
     読者限定の電子版「やましんe聞」で動画を閲覧できる新サービスを始めました。詳しくは、こちらから。
  4. ◆中学、高校の各種スポーツ大会の記録を紹介。検索機能も備えています。アクセス方法はこちら
  5. ◆探したい記事がきっと見つかる、山形新聞記事データベース。他社DB横断検索が便利な日経テレコンジー・サーチファクティバ
  6. ◆県外でも今日の朝刊が朝一で読める「お届け電子版
  7. ◆ニュース速報、高校野球、モンテ情報… 身近な情報を携帯で確認「モバイルやましん
  8. ◆故郷の話題をメールでお届け、ふるさとメール会員募集(登録無料)
山形新聞から
販売から