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三和油脂社長
山口與左衛門氏
山口與左衛門氏
【インタビュー】
 -業界と自社の現状を教えてほしい。

 国産米の胚芽、ぬかから作られる米油には、動脈硬化や心筋梗塞などの予防効果があるといわれている「ガンマ-オリザノール」、ビタミンEの50倍の抗酸化力を持つ「トコトリエノール」などが多く含まれている。これまでかりんとうや米菓、ポテトチップスなどの業務用に使われてきたが、2015年に当社の米油がテレビ番組で、「名医が認めた食材」として取り上げられたことなどをきっかけに注目され、全国的に家庭用の需要が2倍に増えている。ただ国内の主食用米生産量は減少傾向にあり、米ぬか不足で国内供給量の一部は輸入品で補われているのが現状だ。

 -力を入れている取り組みは。

 特許を取得している圧搾物理精製技術を用いて、品種ごと、地域ごとの高付加価値な商品開発を行っている。1月には東北福祉大や東北大、山形大など産学官が連携し、東北から世界に発信できる米関連商品(パンや麺、スプレッド)の開発や、油を搾るための「油糧米」の効率的な栽培などを研究するプラットホームを設立した。米ぬかの機能性を活用した商品開発にも取り組んでいる。

 -求める人材は。

 これまで中途採用が中心だったが、来春からは定期的に新卒を採用していきたいと考えている。求めるのは、社会人らしい分別がある行動・判断をできる能力「コモンセンス」を持っている人材だ。成績は普通で構わない。社員は仕事を通じて成長していくものだ。果敢に挑戦し、失敗を繰り返し、挫折を経験し、そこからはい上がった時に成長する。そうしたプロセスによって人の気持ちが分かり、バランスの取れたコモンセンスの持ち主になる。強い気持ちで家族、会社、地域社会のために貢献できる人材になってほしい。

 -仕事上、影響を受けた人物は。

 中学時代から付き合いがある友人3人だ。年も仕事も違うが、お互いに切磋琢磨(せっさたくま)し、いいライバル関係を築いてきた。元大手乳業メーカーの社員で、乳化剤などを一切使わず米油で米アイスクリームを開発した小林嘉一氏からは、着眼点や技術手法を聞き、発想の大切さを教わった。圧搾米油製法の開発のきっかけになった。また天童市の善行寺の北畠典生住職と出会い、働きながら中央仏教学院で3年間勉強した。学んだ「ありのままの生き方」が今の心の支えになっている。

 ★山口與左衛門氏(やまぐち・よざえもん) 日本工学院専門学校電気工学科卒。1978(昭和53)年に三和油脂入社。常務、専務を経て2015年から現職。社長就任に合わせ、明から與左衛門に改名した。08年にサンスター(大阪)、むらせ(神奈川)と設立したサンブランの社長も務める。日本こめ油工業協同組合副理事長。保護司。天童市出身。66歳。

 ★三和油脂 1949(昭和24)年創業。米油の製造販売を手掛け、「まいにちのこめ油」をはじめとする家庭用、業務用の商品を提供。県産「つや姫」から搾ったプレミアム商品などもある。大手コンビニから同社の脱脂糠(ぬか)粉末(米ブラン)を使った健康志向のパンもリリースされた。従業員数100人。資本金1億円。本社工場のほか仙台工場、郡山工場、東根事業所、東京営業所を構える。本社所在地は天童市一日町4の1の2。


【私と新聞】時代先取りする情報源
 毎朝、1面の記事を楽しみに新聞を手に取るという三和油脂の山口與左衛門社長は「新聞は世界の動き、経済の流れ、時代を先取りするための情報源」と話す。

 地方紙の魅力は「そこに住む人でも知らないような情報、地元の良さを教えてくれるところ」といい、特に食や農と関連する記事に注目している。世の中に浸透してきた「地産地消」という言葉に対し、山口社長は地元での消費を起点として産業を育てる「地消地産」の重要性を訴え、地方紙には「そうした社会づくりの後押しや、農産物と観光資源の掘り起こしをしてほしい」と期待する。

 広告も重要な情報と捉え「紙面を通して、地元の皆さんに米油などの商品を知っていただき、健康づくりに貢献できるよう努力していく」と語った。


【週刊経済ワード】消費税の軽減税率
 生活必需品にかかる消費税率を一般の商品より低く抑える制度。欧州などで例があり、日本では消費税率10%時に初めて導入される。対象は外食・酒類を除く飲食料品と定期購読の新聞で、税率は8%で据え置かれる。同じ商品でも売り方によって販売価格が異なるケースが出てくるため、事業者は表示方法の工夫や複数の税率に対応したレジの導入が必要になる。
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