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古窯社長
佐藤洋詩恵さん
佐藤洋詩恵さん
【インタビュー】
 -旅館業界の現状は。

 「東日本大震災から8年がたったが、東京電力福島第1原発事故の影響を受け、東北地方では今も風評被害がある。私は東北6県や国、企業による復興支援プロジェクト『東北・夢の桜街道運動』に賛同し、誘客に取り組んでいる。現状を打破するため、東北各県が協力し、福島県にも観光客を呼ぶ方策が必要だ」

 -自社の現状は。

 「情報化、国際化が進んでおり、情報発信、外国人観光客受け入れには力を入れている。社員は男女平等が当然だが、旅館業従事者は女性が多くなる。だから私は働く女性の応援団でありたい。1993年にいち早く週休2日制を導入し、結婚、出産、育児などのため退職した社員のカムバック支援制度もある。社員が夢を持ち働き続け、山形に必要とされる旅館、トライ(挑戦)&エラー(失敗)が許される会社にしたい」

 -求める人材は。

 「社員には向上心、素直さ、明るさを求めたい。フェース・トゥ・フェースのサービス業は人間力が欠かせず、人間力を上げるには向上心が必要だ。人のことを悪く言う人は人の足を引っ張ることに力を使い、チャンスをつかめない。自分のことが好きな人は他人を好きであり、他人からも好かれる。サービス業に必要な要素だ。礼儀、言葉遣い、着物の着方、字の書き方は徹底的に教える。人として最も大切なことを学べるのが旅館業の良さだ」

 -どのような能力が必要で、それを身に付けるためどんな努力をすべきか。

 「誰もが等しく1日24時間を与えられているが、時間をどう使うかで人生は大きく変わる。自分を磨く努力は欠かせない。創意工夫も必要だ。上司から指示された場合、自分なりにその意味を考え、工夫して指示を上回るように動いてほしい。時代は猛スピードで変化しているが、どんなに社会が発展しても先人、両親への感謝を忘れてはだめ」

 -仕事上で影響を受けた人物は。

 「われ以外みな師。山形の皆さまに育てられたが、実母の河内寿美子と義母の佐藤幸子には特に影響を受けた。実母は働きながら1人で私を育ててくれ、私はその姿を見て育ったので働くことが全く苦ではない。嫁いだ後は旅館業に関わる全てを義母に教えてもらった。また、作家・瀬戸内寂聴さんの小説を読み、小説家に憧れ高校卒業後に上京し、夫と出会った。瀬戸内さんに勧められて本も出版した。夢は持ち続ければ実現すると分かった。瀬戸内さんがいなければ今の私はいない」

 ★佐藤洋詩恵さん(さとう・よしえ) 東京女子大卒。日本航空を経て、1976(昭和51)年に現会長の信幸氏と結婚し、家業の古窯に入社。常務、専務、副社長を歴任し、2017年5月から現職。山口県出身。66歳。

 ★古窯 1951(昭和26)年創業。全国トップクラスの人気旅館で、「プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」で毎年上位に入っている。上山市の葉山温泉に立地し、皇族の宿泊も多く、昨年11月には皇太子さまが宿泊された。客室数約130室。従業員数約150人。資本金3300万円。グループに鶴岡市の「萬国屋」、山形市の「悠湯の郷ゆさ」、上山市の「おやど森の音」がある。古窯の所在地は上山市葉山5の20。

【私と新聞】事実を見極める目を養う
 古窯は情報発信のため1985(昭和60)年から、顧客向けに四季の話題や古窯からのメッセージをまとめた「古窯かわら版」を発行し続けている。転載許可を受けて山形新聞の記事も使用している。佐藤洋詩恵社長は「経営者として新聞を読むことで事実を見極める目を養いたい」と話す。

 新聞を通じ、不思議な体験もした。20年ほど前、故郷の夢を見る日が続いた。幼い頃の自分がチョウチョを追い掛けており、捕まえようとしたが何度も逃げられた。地元の八幡神社に入ったところで目が覚めたという。

 翌朝、懐かしさを感じながら起床。自宅に届いた山形新聞を開くと、夢と同じチョウチョが紙面に載っていた。佐藤社長は「大石田町でギフチョウが生まれたことを伝える記事だった。驚いたと同時に、頑張れと励まされたように感じた。今でも忘れられない思い出」と笑う。

【週刊経済ワード】日銀短観
 日銀が3、6、9、12月の年4回実施する「企業短期経済観測調査」の略称。全国の企業から景況感や設備投資計画、雇用の過不足などを聞き取る。調査日から発表までの期間が短いため、景気の現状を把握する指標として重視されている。特に、大企業製造業の景況感は景気動向の目安とされ、株価や日銀の金融政策にも影響を与える。
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