大谷の魔球「スイーパー」を解析 軸の傾きで落ちずに曲がる

5/29 19:33
 スーパーコンピューター「富岳」で再現した米大リーグ、大谷翔平選手の「スイーパー」の軌道。手前(灰色の点)から打者の方向(白い点)に向かって、ボールがあまり落ちずに左に大きく曲がっている(東京工業大の青木尊之教授提供)

 米大リーグの大谷翔平選手の変化球「スイーパー」があまり落ちずに横に大きく曲がるのは、ボールの回転軸が進行方向に傾いているから―。魔球に隠されたこうした仕組みがスーパーコンピューター「富岳」による解析で分かったと、東京工業大などのチームが29日、発表した。軸が傾いていることでボールに浮き上がる力が働くという。

 スイーパーは大谷選手が3月のWBCで日本代表チームの優勝を決めた際に投げたことで知られる。横に曲がるスライダーの一種だが、スライダーが徐々に落下するのに対し、スイーパーは大谷選手の投球データでも落ちる幅が小さく、理由は謎だった。

 チームは、ボールの回転数や回転軸の角度を変えて、周囲の空気の流れやボールの軌道を富岳で計算した。その結果、回転軸を打者の方向に50〜60度、傾けると、大谷選手の投球を再現できた。

 チームの青木尊之・東工大教授は「傾き過ぎないためには相当な練習をして、考えて投げないといけないだろう」と話し、大谷選手の巧みな技術を称賛した。

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 スーパーコンピューター「富岳」で再現した米大リーグ、大谷翔平選手の「スイーパー」の軌道。手前(灰色の点)から打者の方向(白い点)に向かって、ボールがあまり落ちずに左に大きく曲がっている(東京工業大の青木尊之教授提供)
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